第30話 怒り

2人組の男性ライダーに話しかけられたリナ達は、バリオスをジロジロと見られて「これって何cc?」と男性ライダーの1人に聞かれた。

あーやっぱりこの人達、昔からバイク界隈で煙たがれてる「ナンシーおじさん」と呼ばれている方々。


「250ccですよ」


リナが排気量を言うと「ニーハンかぁ」とわざわざ排気量を聞かなくてもわかっているはずなのに白々しい態度で馬鹿にした口調で言ってきた。

続けて2人組の一人がリナにこう言った。


「ニーハンじゃ物足りなくない??大型乗りなよー、楽しいよー」


あーはいはい…まさか今度は大型いいゾ~おじさんですか。

大型はパワーに余裕があるとか、ツーリングが楽とか自己理論を長々と語ってきて流石のリナも聞いてて飽きてきたのかマウントおじさん達に言った。


「あのぉ、大型バイクが凄いのは十分わかりました。それに私、まだ16歳なので大型免許は取れないので」


カナが面倒くさそうにそう言うと2人組は「なんだ免許取り立ての子かー」「チャリみたいなニーハンでいっぱい練習するんだよー」と癪に障ることを言い残して去っていった。

これを横で聞いていた東雲先生の顔がかなり怒りに満ちていて、今にもさっきのライダー達に喧嘩を売る気満々な感じだった。


「ねぇ?西園寺さん?ちょっとバリオス借りてもいい?あの人達と峠走ってくるから」


リナは「え!?本気ですか!?」と慌てた様子で東雲先生を鎮静化させようと説得してみるが無理のようだ。


「あーあ(笑)萌歌ちゃんを本気でキレさせちゃったねー、こうなったらこの子止まらないからー」


東雲先生はエイプのキーを舞華に渡すとリナとタンデムしながらついてきてと言った。

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