第19話 食べ放題

如月教官の特別指導が全て終了して明日には地元の静岡へと帰ることになっているリナは、葵や愛琉も呼んで四人で石岡市にある食べ放題のチェーン店に来ていた。


如月教官が教習の仕事があるときは、代理で葵と愛琉が練習に付き合ってくれた。


「今日は、アタシの奢りだから沢山食べてねー」


愛琉は自分でそう言いつつ、いろんなものを自ら注文している。

リナは脂っこいものを食べ過ぎると体質的に胃もたれしやすいが今日だけは気にせず食べようと、肉を一気に焼き始めた。


如月教官達3人が仲良く話している姿を見て、本当に学生の頃からアラサーになっても変わらない関係なのだと思うとリナはなんだか羨ましいと思った。

自分もフランという親友がいるけど、何歳になってもこの3人のような関係でいたいと思った。

リナ達は、時間を忘れてお腹いっぱい食べているとあっという間に制限時間がきてしまった。


愛琉は会計を済ませようとレジに行くとクレジットカードを取り出してスムーズに会計を済ませた。


「愛琉さん、ごちそうさまでした」


リナがそう言うと愛琉は親指を上げて「礼には及ばんぞ(笑)」と酒が入ってるせいかテンションがおかしくなっている。

車の運転は、葵がしてくれることになっているので全員のことを家まで送ってくれた。


如月教官の家に着くと、リナは玄関の前で立ち止まって如月宅を見渡した。


「???、西園寺さん、どうかした?」


如月教官が玄関の鍵を開けたあとに、玄関から少し離れたところで立っているリナに声をかけると家を見たままリナが言った。


「今夜で最後なんですね…」


今日で最後だと思うとなんだか寂しい感じがした。

3週間も如月教官の家に泊めてもらって、練習がキツかった時もあったけど葵達と茨城の地域のお祭りに行ったり、如月教官とタンデムして夜の茨城をナイツーしたりと楽しくて充実した毎日だった。


「免許取れたら、今度はバイクで遊びに来なさい」


如月教官は優しい口調でそう言うと、家の中へ入っていった。


そうだ、バイクの免許が取れたら今度はバイクで来よう。

茨城なら良い感じの距離だしツーリングするにはちょうどいい……のかな??


これからどんなバイクライフが待っているのだろう?


リナは、これから楽しみで仕方なかった。



まだ免許取れてないが(笑)

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