第14話 如月家

本日の練習を終えたリナは、如月教官の自宅へと来ていた。

今日からしばらくの間、ここに泊めてもらうことになる。

如月教官は風呂場、トイレ、リビングなど一通りの場所を教えてくれた。

家の感じは悪くはない、普通の二階建ての一軒家と言った感じで特に特徴的な所はない。

如月教官は綺麗好きなようで、部屋に埃っぽさが全くなくこまめに掃除している感じだった。


「ここの2階の部屋、空いてるから好きに使っていいわよ」


如月教官がそう言うので、リナはありがたく使わせていただくことにした。

部屋の隅にリナの為に用意された布団が置かれていた。

とりあえずリナは一息つくことにした。

茨城に来るまでの道中では、乗り換えを間違えてなかなか常磐線に乗ることが出来ずに苦労した。

たまたま行く方面が同じの女性に助けてもらって、無事に常磐線に乗って到着できた。

そして着いてすぐにバイクの練習となかなかハードな1日だったのでリナは流石にヘトヘトだった。


「あーー!今日は疲れた…」


リナはそう言いながら畳の上に大の字で仰向けになった。

明日は、指導員の仕事があるので練習は夜かららしいが如月教官が馴染みのバイク屋に練習できる場所があるらしく昼間はそこで練習させてもらえることになった。

話を聞くと高校時代の如月教官もそこで練習をして一発試験で自動二輪免許を取得したんだとか?


バイクのことを考えていたら眠くなってきた…

リナは、無意識に目を閉じるとそのまま眠ってしまった。


リナが眠りについて20分程経った頃に如月教官が部屋にやってきた。


「西園寺さーん、今日の晩飯は……」


そこまで言いかけて如月教官は言うのをやめた。

リナを起こさないように上からタオルケットをかけると、如月教官は静かに部屋を出ていった。


「西園寺さんが起きたら決めようかな」


如月教官はそう呟くとリビングの方へ歩いていった。

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