第3話 誰かコネのある人はいないものか
「それじゃ、また明日ね」
学校が終わるとリナとフランは、一緒に下校していた。
通学路が途中まで同じなのでほぼいつもフランと徒歩で通学しているリナだが、フランの家の方が学校から近いので先程フランと別れた。
リナは1人になると再び教習所のことを考え始めた。
全国47都道府県全ての教習所のことを調べたが、何処にもMT車の二輪教習をやっている所がない。
全国で数件だけやってるという噂はデタラメだったのかと思い始めた…
教習所のことを考えているうちにリナは自宅に着いた。
「ただいまー」
リナはそう言いながら玄関を開けると、バタバタと走ってくる子供の足音が近づいてきた。
「おねーちゃん、おかえりー!!」
女の子がリナの方に走ってきて足に飛びついてきた。
この子はリナの5つ下の妹で、名前はリサ。
仲の良い姉妹でよく遊んでくれる姉のリナにかなりリサは懐いていた。
リナが学校から帰ってくるといつもゲームをして遊ぶのが日課になっているが、何だか今日はとてもそんな気分にはなれなかった。
「ただいま、リサ。今日はお姉ちゃん疲れちゃって…ゲームはまた今度ね」
リナが申し訳なさそうに言うと「えー!つまんないよー!」とリサは膨れっ面で言いながら渋々とリビングの方へ歩いていった。
リナは晩飯を作っている母に「お風呂湧いてるわよ」と言われたので、時間的に少し早いが晩飯前に入ってしまおうと思い風呂場に向かった。
リナは髪の毛と身体を洗うと39度のお湯が張られた浴槽に浸かると、風呂場の天井を見つめながら教習所のことがふとよぎった。
どれだけ調べても有力な情報は出てこないし、本当にどうしたらいいものかとずっと考えてしまう。
そういえば父は、昔バイクに乗ってたって聞いたことあるけど…
もしかしたら父ならコネがあるかもしれないと思って、仕事から帰ってきたらダメ元で父に聞いてみようと思った。
何もやらないで後悔するより、何かやって後悔した方がいい。
リナはそういう考えの人だ。
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