第2話「……好きだよ葵」

「ねぇダーリン」

「なにハニー?」

 別の日。放課後いつも通り俺の部屋でダラダラと彼女が遊びに来ていて俺の布団を占拠していた。

「透の肌が恋しいから抱きしめてほしい」

「……めちゃくちゃ甘えるな」

「来て! 後ろから抱きつく方」

 こっちを向いてジッと見てきた。

「はいよ……」

 外は風が吹いていたから寒かったからな。

 俺はそのまま葵の方に近づいた。

「やった!」

 その向こうの方に寝っ転がった。

「腕枕するから頭避けて」

「わかった!」

 頭をどけた間に俺の腕を入れて葵専用の腕枕になった。

 そのまま体を葵の方に密着させる。

「腕枕大丈夫?」

「平気……」

 俺は彼女の頭をそっと撫でた。

「えへへ………好き」

「俺も好きだよ葵」

「――っ! うん。好き、透」

 頭を触っていた手の方に葵のが伸びてきて俺の手を握りしめ自分の胸の方に近づけた。

「ありがとう……ワガママ聞いてくれて」

「可愛い彼女のワガママならいくらでも聞くよ」

「――えへへ。私の彼氏が透で良かった」

 俺の手をぎゅと握りしめてた。……やっぱり春一番の風が吹いていて背中が寒く。俺は彼女にもっと抱きしめた。

「……好きだよ葵」

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