第6話「放浪途中での出来事②」

今までに平和だった日常が―――とある報告により、事態が急変した。


「何?魔物の軍勢が?」

「えぇ、どうやらダンジョン産の魔物も混じっているそうで。調査から帰って来た冒険者の話によれば魔物の生態変化が起きたタイミングと丁度だそうです」


城内では国王が騎士からその報告を受けていた。


「早急に打って出よ!冒険者の力も惜しまず全て使い果たすのだ!」

「畏まりました!」


一方で――――

彼らの方に戻る。


「――――よし、お前ら!準備はいいな!?」

「「「「おぉ~~~!!!」」」」


流石の冒険者ギルドだ。


鼓舞し合っている。


「僕らも頑張ろっか」

「主に私はサポートですが・・・皆さんの役には立ちたいですね」


早速指示を貰いに動く。


「―――おっ、坊主!ちょうど良い所に!」

「ギルマス、何か自分にやれる事は?」


ギルドマスターのファンドさんに色々聞いた後は直ぐに動いた。


「まさか、魔物の数の一掃をお願いされるとは・・・」

「それだけ異例って事ですね」


因みに大量の魔物を倒したら倒した分だけ手持ちのカードに勝手に記録されるらしい。

事前にそう聞いた。


「さぁて、始めるか」

「ですね、頑張りましょうか」


既に何十、何千名かの冒険者らが魔物の軍勢と対峙していた。


「ここに居る魔物達って基本的に活動地域が違うんだよね?」

「えぇ、火を扱う魔物は火山地帯、氷を扱う魔物は氷雪地帯・・・など、それぞれ扱う魔法によっては地域ごとにその魔物は分別されます。神話級の魔物となると異例ではあるんですが」


で、目の前に居る魔物達はそれぞれ生息する地域が違うから異常だと判断がし易い。


「ダンジョンの魔物も入り混じってるって事は・・・」

「えぇ、恐らく人の手か若しくは魔の手によって魔物達を使い、この国を滅ぼそうとする存在が居るかと。試しに私が周囲をサーチしてみますね」


アインさんはそう言って【魔導本タブレット】姿に戻って検索サーチを始めた。


「・・・・どうやら結構多いみたいです」

「数はやっぱり聞いていた通り?」


姿を変えたアインさんが頷き、少し考え始めた。

そして数分後―――


「中には私達のような今のランクの冒険者が倒せるような相手ではないですね。を除けばの話ではありますが」

「それだったら話は早い。早速動こうか」


様々な魔法の組み合わせを【魔導本タブレット】で確認し、発動した。


「じゃ、発動するね」

「了解しました」


早速、魔物達の前に立ち塞ぎ――――


「【魔導本タブレット起動スタンバイ。風魔法【大嵐テンペスト発動スタート

「魔物53体撃破。残り947体」


天空から突如、大きな魔法陣が発現すると同時に巨大な竜巻が魔物の大群を襲い掛かる。

そこそこな数を減らせる事は出来た。

更に続けて――――


「【魔導本タブレット起動スタンバイ。土魔法【乱槍撃バリスタ発動スタート

「魔物143体撃破。残り804体」


翠の生い茂る大地から無数の土の巨大な塊から複数の槍が形成され、魔物の大群方へ連続で発射し、結構な数を減らせた。

そしてラスト―――


「【魔導本タブレット起動スタンバイ。火魔法【龍炎イフリート発動スタート

「魔物200体撃破。残り604体」


巨大な火の龍がそのまま魔物の大群に突っ込み、結構な数を焼却する事が出来た。

そして、水属性を使おうか――――――と思ったけど


「ここは無属性使った方が良いかな?」

「であれば空間を使った魔法にしましょう」


魔導本タブレット】に記載されていたとっておきの魔法を使う事にした。


「【魔導本タブレット起動スタンバイ。無魔法【空間消滅ロスト・スペース発動スタート

「魔物574体撃破。残り30体」


そろそろここらへんで良いかな


「アインさん。創造魔法で旗を作れる?」

「即席であれば」


瞬時に旗を作り、味方陣営に大きく振る。


味方陣営にて――――


「粗方殲滅したサインが出た!」

「よし、全員突撃だ!!!」

『ウォォォォォォォォッ!!!!!!』


冒険者や騎士団、そして魔導師団の活躍も相まって魔物達の軍勢による大進撃スタンピードは終結した。


とある場所にて――――


「あのお方に報告せねば・・・」


怪しげな格好をした人物はそのまま魔法で何処かへ行った。

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