第3話「初めての冒険と仮免許ランク」
最初に依頼を受けたのが屋敷の庭掃除。
なんでも依頼主は忙しくメイド達と執事達が家事を追ってやっているが肝心の庭掃除があまりやれていないとの事だ。
「本来であれば冒険者が不祥事を起こした際の罰を執行する為の軽犯罪者専用の事前活動依頼だったそうですが・・・ほぼ平和となった世の中で、冒険者や貴族の犯罪率が少ない事が切っ掛けに新しい冒険者がギルドに登録する為の専用の仕事として、提供された依頼でもあるそうですよ」
「へ~、初心冒険者に優しいね」
目的地に着いた俺はアインさんと一緒にその目的地の屋敷の門番に話しかけた。
門番
「ふむ・・・分かりました。先に当主様をお呼びしますのでそのまま居間でお待ちください」
「わかりました(行こっか、アインさん)」
「(えぇ)」
居間へ案内されてその部屋に入って待っておく事にした。
確か、貴族の常識としては待っている間は屋敷の主が来るまでは勝手に座ってはならないとかなんとか・・・
難しい事はあまり知らん!で通した方が良いかな?
フェサー・ディ
「お待たせして申し訳ない」
「いえ、こちらも暇をしていましたもので」
早速、双方座って先に話し合いを始めた。
「この屋敷の外周辺全て・・・そして無理しない程度、でよろしいですか?」
「あぁ、ソレでお願いしたい」
フェザー・デイさんは結構な歳を召した見た目の方だ。
事前情報だと、広い屋敷に従者達と一緒に暮らしているんだとか。
「従者達は一人一人が決めた区画で掃除をするものだと思っていたんですが・・・はっきりと分かりました。この屋敷の外の辺りの一部一帯が国の私有地だから、ですね?」
「えぇ、彼らは一応私の目が届かない範囲を徹底的に掃除させたんですがね・・・」
貴族の所有する庭は爵位によって結構なほど広い。
「で、貴族であれば当然なんですが・・・ご家族の方は?」
「居るには居るさ。この屋敷は離れとして扱っているからね」
貴族の離れとされる私有地、結構広くね?
「それじゃ・・・魔法を使うので、早速やらせて頂きますね。あ、後―――」
「何かね?」
掃除をする前に聞きたい事があった。
「掃除の後に今の大公閣下に会って話をしておきたいので、それまでに取り付けて貰っても良いですかね?」
「ふむ、その事なら問題無い。任せてくれ」
早速、屋敷の外に出る。
「そんじゃ、始めるか」
「風属性下級魔法で行きましょうか」
僕は頷き、魔法を発動させる。
「【
【
周囲の生い茂った草は発動した魔法で一斉に刈り取られた。
「風魔法【
各方面に散りばめられた雑草を袋を持って吸収して中に入れる。
一回目の量で既にパンパンになった。
「うっし、二回目―――――」
一時間以上経ち、周囲の雑草除去による掃除が終わった。
「まだ時間があるみたいですよ」
「次は使用人さん達の手伝いでもするか」
僕はそう言って使用人さん達の手伝いを始めた。
「【
庭の時と同様に水の霧で周囲を湿らせて風で手早く乾かす。
「おぉ~、流石です!」
「す、凄い、埃が一つも無い!!」
「まっ、こんなものかな?」
東京ドーム位に広い屋敷のあっちこっちへ行き魔法で細かな所まで綺麗にする。
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