「それは・・・ずるいなって思っただけですよ」

「ずるい？何が？」

「湊君が私のために勉強を頑張ってくれているのは分かっているんです。なので私も声を掛けるのは控えていたのに、千谷さんはいつも通り喋っているのがずるいなって思ったんです。私ももっと湊君とおしゃべりしたいのに・・・めんどくさくてごめんなさい・・・」

本当にめんどくさい内容だったけどさすがに声には出さなかった。

もっとさっぱりとしていてあまりジェラシーなどは感じない人と思っていたが、それは間違いのようだった。

この人は相当嫉妬深い人のようだった。もし仮に浮気なんてしたら自分と、その相手がどうなるか分かったものではない。まあさすがに男友達にジェラるのはどうかと思うが・・・それはそれだけ好きと思われていると思っておこう。

そんなやり取りを見ていた桃が質問をしてくる　

「二人ってまだ付き合ってないんだよね？」

「うん」　「はい」

二人同時に返事をする

「マジで？渚って結構めんどくさいタイプなんだね。」

「めんどくさい？え、湊君！私ってめんどくさい女ですか？！」

朝比奈さんは桃の言葉に衝撃を受けたのか大きな声で聞いてきた。

「そ、ソンナコトナイヨ・・・桃！そういう事は言わないの！少なくとも本人の前では！」

「それって湊君も少しは思っているって言い方じゃないですか！」

朝比奈さんは拗ねてしまったのか、口をとがらせて「どうせ私はめんどくさいですよ」とそっぽを向いてしまった。

彼女の機嫌を直すために二人して全力で謝っていたのはクラスでもとても目立つ行動だった。

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