2023年3月29日(水)『アンチ・総合評価のすすめ』

「結局何が言いたいの?」「一言で言うと何?」「話が長い」「短くまとめて」「結論から教えて」


 ……はい、胃がキリキリしてきますね。やめます。


 何事も効率良く進めようとするならサマライズすることは重要であり、エンタメに関してもともすれば「で、結局デキは良いの? 悪いの? 星いくつ?」みたいな発想になりがちです。


 というわけで、劇場版ブルージャイアント観てきました。以下ネタバレはありません。


 いやもうこれは劇場で観るべき。特にドルビーアトモスなどの音響の良いところで是非観てほしい。私もジャズは初心者ですがそれでも「ジャズってアツい…!」と思ってしまうくらいに音楽の力と映像の力がマッチして一大青春叙事詩となっている。おじさんになると若者が頑張るストーリーにとにかく弱い。


 まあ映画の中の全ての要素が手放しに褒められるかというと演奏中の人物CGが驚くほど前時代的だったりとんとん拍子に進みすぎのように思えたりと粗はあるわけですが、じゃあそれで音楽や映像の力がなかったことになるかというとそんなことはない。


 ここで総合評価、みたいな尺度を持ち出すとよくわからなくなるわけですね。良いところを悪いところで薄めたらまあ平均くらいですね、とはならないわけです。悪いところに良いところが毀損されないケースだってたくさんある。それを「足して割って星3.3」みたいに捉えてしまうと何にもわからなくなる。


 解像度は上がつつ安易にまとめない。そんな落とし所があってもいいんじゃないの、と思います。変なところがあっても愛でるべき要素があればそれでいいじゃない、空は今日も青いのだから。それでは往年のジャズを漁るので忙しいので今日はこれにて。

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