第6話 ゴミ屋敷

………。うぅ〜ん?あれ、俺いつの間に寝ていたんだ?えぇ〜っと、たしか、サクラさんが帰ったあとに、コマチさんのしっぽと狐耳をモフって?ここから先の記憶がない。じゃあ、俺はしっぽをモフってすぐに寝たということかな?

とりあえず、今は何時なんだろう。スマホを見ると、12時9分と表してあった。起きなきゃ。


(おはよう。)


「おはようございます。俺、いつの間に寝ていたんですか?」


(えぇ〜っと、う〜〜ん、あっ!しっぽをモフったじゃないですか、その後にこの耳を触ったときに奥に入れちゃって、私が反射的にイナリに雷を落としてしまったんですよね。痛かったですよ。)


「ごめんなさい。記憶がないけど、そんなことになっていたんですね。」


(そうです。さて、お昼ご飯できてますよ。)


「それじゃあ、いただきます。」


俺はリビングで、お昼ご飯を食べた。


「ごちそうさまでした。」

「コマチさんは、お昼ご飯を食べないんですか?」


(イナリより、先に食べちゃいました。)


「そうですか。」


ピンポーン!!


玄関のチャイムが鳴った。


「俺、ちょっと見てきます。」


玄関の扉を開けると、サクラさんが入ってきた。


『Can you help me !』


(なんと、言っているんですか?)


『助けてください!!』


(どうしたんですか?)


『あれが!あれが!Gが!』


「あぁ〜。ゴキブリですね。殺してきますよ。」


『ありがとうございます!!』


俺はサクラさんの部屋に行き、言葉を失った。ゴミ屋敷だ。あんなに真面目そうな人なのに。俺はゴキブリを探した。


いたッ!!ヒュッ!!


ハエたたきで気絶させて、ティッシュで取った。もちろん、ゴミ箱行きだ。

俺は自分の部屋に戻り、ゴキブリを取ったことをサクラさんに伝えた。


『ありがとうございます。虫、大の苦手なんですよ。』


「一つ俺が言えることは、部屋を綺麗にしたら、ゴキブリは湧きにくくなりますよ。」


『………。はい。』


「手伝いますから、部屋の片付けをしましょう。」


『うっ!わかりました。』


「コマチさんも手伝ってください。」


(イナリに頼まれたのなら仕方がない。手伝います!)


「それは、心強いです。」


俺達は、サクラさんの部屋に向かった。


………4時間後………


「はぁはぁ、終わりましたね。」


(よく、ここまでのゴミをため込めてましたね。)


サクラさんの部屋のゴミは、3kgありそうな量だった。特に酷かったのが、賞味期限が6年前にきれていたお菓子だ。石ぐらい、カッチカッチになっていた。


『うぅ〜。恥ずかしいから、言わないでください。』


「それじゃあ、俺達はこれで。」


『ありがとうございました。』


俺達は、自分の部屋に帰った。


「ふぅ〜。疲れましたね。」


(そうですね。今まで、よくあそこで暮らせましたね。)


「ハハ。俺は、無理ですね。」


(イナリは、綺麗好きなんですね。)


「俺よりも、コマチさんの方が綺麗好きですよ。」


(褒めても何も出ないですよ。)

(私も疲れたし、寝ようかな?)


「俺は少し、ゲームをしてから寝ますね。」


(おやすみ。)


(おやすみなさい。)


俺はゲームを30分したあとに、ソファーで眠るのだった。

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