第4話 きつねうどん

家に帰りソファーで横になっていると、眠ってしまった。コマチさんに起こされた時には、きつねうどんが出来ていた。


「(いただきます。)」


「!!」

「とっても美味しいですね。」


(フフ、そうでしょ。)

(隠し味に、柚子の皮とめかぶを入れるんです。)


「へぇ〜。これなら、大葉を入れても美味しいかもしれませんね。」


(今、大葉無いね。)

(でも、それはいいですね。)


「この、おあげも美味しいですね。」

「コマチさんは、九州地方の生まれなんですか?」


(なんでそうなるの?)


「昔、おばあちゃんが作ってくれたきつねうどんのおあげがとても甘かったんですよ。」

「もういませんけど、九州地方出身の人だったんですよ。」


(………。そうなんですね。でも、私は多分東北地方出身ですよ。)


「多分?」


(そこら辺の記憶があまりないんですよ。)


「そうなんですか。」


(まぁまぁ、細かい事はいいです。)


「そうですね。」


「(ごちそうさまでした。)」


(イナリ、お風呂をいれてくれませんか?)


「いいですよ。その代わり、しっぽをモフらいてくださいね。」


(うやぁ。わかりました。)


俺はお風呂を洗ってから、お風呂をいれた。


「いれてきましたよ。」


(ありがとう。はい、モフっていいですよ。)


「よしッ!」


(落ち着いて、モフってくださいね。)

(うやッ!)


「あぁ〜、日々このために生きている。」

「このまま、モフモフに顔を埋めたまま寝たい。」


(寝たら駄目ですよ。昨日はしっぽにヨダレを垂らされました。)


「ごめんなさい。気づかなかったです。」


(ベットに移した後に、洗いましたもん。気づきませんよ。)


「うぅ〜。もっとモフりたい。しかし、そろそろ終わってお風呂を見てこないと。う〜〜ん。」


(そうですよ!そろそろ、お風呂が溢れてませんか?)


時計を見ると、20分たっていた。


「………。お風呂のお湯を止めてきます。あと、お風呂に入りますね。」


(は〜い。)


俺は急いでお風呂のお湯を止めてから入った。


………15分後………


「あがりましたよ。」


(は〜い。私が入りますね。)


「ごゆっくり〜。」


………20分後………


(あがりましたよ〜。イナリ、このドライヤーというもの便利ですね。)


「本当は髪を乾かす道具ですけど、しっぽを乾かすのに使ってましたね。」

「そのおかげで、しっぽのモフモフの量が2倍のぐらいになってますね。」


(今日はもう、モフらないでくださいね。)


「……。はい。」


悔しい。明日は、お風呂あがりにモフるとしよう。

俺は眠たくなったのでベットに向かった。

少し待っていると、コマチさんが来た。


「お休みなさい。」


(お休み。)


俺とコマチさんは一緒に眠るのだった。

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