第3話 買い物

朝起きると朝ごはんが用意してあった。


(おはよう。)


「おはようございます。」


(イナリ、朝ごはんをちゃんと食べるんですよ。)


「はい。朝ごはんなんて久しぶりなんですよ。絶対に食べますよ。いただきます。」


(私も、いただきます。)


美味しかった。味噌汁はとても美味しかったが、ご飯がベチャベチャだった。


(うやぁ〜。失敗しました。水が多かったです。)


「炊飯器に、ここまで、って書いてありませんでした?」


(そうなの?目分量で入れちゃった。)


「炊飯器が使えたので進歩してますよ。」


(………。イナリ、明日から朝ごはんは要らないようですね。)


「はい、すいません。許してください。」


(う〜む。どうしよかっな〜。私と一緒に買い物について行ってくれたら許そうかな〜。)


「はい、買い物ですね。仕事が終わったら行きますよ。」


(フフッ、ありがとう。)


「仕事が終わったら一旦家に帰ってくるんで、待っていてくださいね。」


(は〜い。)


俺は朝ごはんを食べ終えたので、服を着替えて、歯を磨いてから、仕事に向かった。


………仕事後………


俺は今日の仕事を早く終わらせて帰ってきた。


「ただいま。」


(おかえり!)

(じゃあ、さっそく買い物へレッツゴー!)


「俺の着替える時間をください。」


(それぐらい待ちますよ。)


「って、コマチさんはその格好で行くんですか?」


(そうですけど。なにか不味いですか?)


「俺の格好を見てください。狐耳としっぽありますか?」


(ないです!)


「金髪ですか?」


(黒髪です!)


「つまり。」


(つまり?)


「目立つということです。」


(金髪はいいでしょう。狐耳としっぽをどう隠しますか?)


「狐耳は帽子で隠せるけど、しっぽをどうしましょう。」


「(う〜〜ん。)」


(あっ!コートで隠すのはどうでしょう?)


「いいアイデアですね。コートないけど。」


(そんな〜。)


「う〜〜ん。俺のパーカー着て服屋に行きますか。」


(そうですね。それしかないですね。)


コマチさんは渋々、俺のパーカーを着た。

俺達は、服屋に来た。ユ○クロだ。


「コマチさん。このコートはいいんじゃないですか?」


(う〜〜む。私はこれがいいかな〜。)


そう言って出されたのは、俺が選んだコートの色違いバージョンだった。俺が黒のコートに対して、コマチさんは茶色のコートを取ってきていた。


「それでいいんですね?」


(はい!しっぽも隠せるし、私の金髪を目立ち難くしてくれると思います。)


「これを買いますね。」


俺はコマチさんが選んだコートを買った。

コマチさんはさっそく、そのコートを着ていた。 


「似合ってますね。」


(ありがとう。次に行きましょう!)


「はい。」


俺達は次に、ゆ○マートに行った。


(うや〜。すごい!色々な商品がいっぱいある!)


「ハハ、今じゃ当たり前ですよ。」

「コマチさんは、どんなところを想像していたんですか?」


(野菜なら八百屋、魚なら魚屋、肉なら肉屋とわかれてると思ってました。時代は変わりましたね。)


「明治ぐらいですかね。」


(そんなことはどうでも良くて、今日は色々と買いますよ!)


俺はコマチさんに引っ張られながら買い物をした。

以外だったのが、油揚げを全然買わなかったことだ。会計が6390円。危ないところだった。

俺は帰り際に、


「コマチさんは油揚げ嫌いなんですか?」


と、聞いたことろ、


(イナリは狐が油揚げ好きだど思っているでしょ?全国に同じように思っている人がいるでしょ、その人達が神社に油揚げをお供えしたから、大量に余ってるんですよ。まぁ、でも、好物ではありますよ。)


「なるほど~。家で出てくる油揚げはお供物ってことですか?」


(そういうこと。)


「俺が食べていいんでしょうか?」


(いいでしょ。私にくれた物を食べてるんですから。)


「う〜〜ん。悩みますね。」


(さて、今日の夜ご飯は何にしようかな〜。)


「あっ、うどんが食べたいです。」


(フフ、ならば私の得意なきつねうどんを作ってあげましょう!)


「それは楽しみです。」


こうして、俺達は家に帰っていった。

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