第3話 あとがき

中国の人民報というネット新聞が、「まともな報道」のできる世界でも数少ない報道媒体であるということが、これらの記事からよくわかります。

日本では「単なる50円の朝食」という、ただの「甘やかし」「乞食大学」でしかない一方で、中国の場合、そこに伝統と文化の継承とか、リーダー性といった大切なことを考えさせてくれる。

  「50円の朝食」は事実だろうが、そこに「大学の在り方」「日本人としての生き方」「リーダー性の涵養」といった光を当てると、そこには何もない(存在していない)。 つまり「50円」とは、事実だが真実ではないということなのです。

そんな虚構の事実などすぐに忘れられ、再び学生と天皇が「物乞い」を始める。「乞食」の繰り返しが続くのでしょう。

いくら知識があったって、こんな大学で育った人間が民間企業で役に立つのだろうか。私たちは嘘やハッタリ、幻想やまがい物の三国人(猶太・韓国・台湾客家)的マスコミ(新聞・テレビ・雑誌、いい加減な政府の偽情報)の洪水の中で、何が真実なのか見えない、というか、嘘ばかり見せられて嘘を真実と思い込むことを余儀なくされています。


大学日本拳法縄文人にとって唯一の救いは、毎日の「現実に殴る・蹴る・投げる」を通じて「真実とは何か」という鍛錬を無意識に行っているということです。柔道や相撲も同じですが、投げられて(殴られて)痛いという世界にいると、フェイントとか誤魔化し、嘘やハッタリに対して敏感になるものなのです。

宮本武蔵は「五輪書」で「人に欺されるな」と述べていますが、これこそ武蔵の信念であり、また、広く本来の武士が持つべきモットー(座右の銘)であるべきなのです。

武士とは殺し合いを生業にしている、若しくは、殺し合いという究極の問題解決まで行くことを許されている人々のことです。ということは、百姓や町人同士の言い争いや喧嘩と違い命がけですから、嘘に欺され・ハッタリに惑わされていては命が幾つあっても足りない。

そして、そういう命がけ・真剣勝負の心で生活し「絶対に欺されないぞ」という気概が生活習慣となり、その為人(ひととなり・持ち前の性格・天性)となっている。だからこそ、武士とはリーダーとして百姓・町人の上に立ち、彼らを指導・教導できるのです。

しかし、殺し合いという真剣勝負の心によって、鎌倉幕府時代からの懸案であった「天皇問題」をようやく解決して彼らを京都に封じ込め、真の実力を持つ武士が日本の支配者(リーダー)として成立した江戸幕府が、わずか数十年のあいだにすっかりその心を忘れて「オイこら警察官」化していることに対し、「五輪書」冒頭で武蔵は「本物の武士(リーダー)がいなくなった」と嘆きました。

大学日本拳法で、立教のTさんや青学のOさん、或いは同志社のTさん(みなさん既に引退され、現在は各大学日本拳法部のOG)といった、技術や体力ではなく、いつでも真剣勝負の心(もの凄い気迫)で戦う人たちに私が魅力を感じるのは、そこに武蔵の言う「本物の武士」を見ることができるからです。

  (もちろん、彼女たちに技術が無いということではありません。気迫や気力から入って、それに必要な各人独自の技術が生まれてくる。それが、私から見た彼女たち「ストレート拳法」の魅力なのです。)

私たち大学日本拳法縄文人は、そういう真剣勝負の心を通じて誰もが(彼女たちのように)リーダーの資質を鍛え・伸ばすことができる。そして、真実を見極めようという心と実際に見抜く目があれば、人に欺されずに真実を知り人々をリードできるのです。

もちろん、広い知識と深い見識といった知性も重要ですが、真剣勝負の心という理性によって、何を知識として手に入れるべきなのか、どういうアプローチで見識を深めていくのかを煮詰めていくのも一つの道です。(大きな会社であれば、知識や見識の部分はそれ専門のプロ集団がいるのですから。)

中国人というのは嘘ハッタリではなく、現実に汗水流して自分の存在を実感しようとする。被害者面して強請り・たかりをしたり、日本人に紛れてその努力を掠め取ることで生きようとする民族と違い、ガッツと誇りと真剣味のある民族です。

そういう民族性を映し出す「鏡」ともいえる人民報には、アメリカでも中国でもなく、真実を見極めようとするスピリッツがその根底にある。様々な次元と位相で物事を多角的に分析しているという点では、現代中国の「五輪書」といえるでしょう。

各国のマスコミ(新聞・テレビ)が、自国に都合の悪い情報を流さないのは、どこも一緒です。しかし、多角的な観点・数字に基づいた分析・確かな歴史観による「今」の解析・三国人的な大衆心理の煽りやプロパガンダ(虚偽の宣伝)ではなく、「五輪書」水の巻と火の巻に見る「形而上下の視点」によって人と社会を捉えようとする姿勢は、まさに中国人の奥深い底力を感じさせてくれます。

殴り合いそのものではなく、殴り合いを通じて真剣に物事を把握し、以て、家族の・会社の・社会のリーダーを目指す大学日本拳法人であれば、明治期より変わらない「大本営発表瓦版」の嘘を見抜く為にも、こういう海外の優れた新聞も、日々併せて読んでおきたいものです(無料ですし)。

  2023年3月28日

V.1.1

平栗雅人


  2023年4月1日

  V.2.1

  平栗雅人

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