うさぎさん 状況を知る

天に届くほどの大きな樹の前に降り立つ黒い生き物はその口から何かをそばの湖に向かい噴き出す。

ドボンと水柱をたて何かが沈むとそこから赤いものと泥のようなものが中から浮き出してきた。

そしてその後に白いうさぎさんが浮き上がってくる。そう、噴き出されたのはうさぎさんであったのだが、身体に多くの傷を作っているものを普通 水柱を上げるほどの勢いで入水させるだろうか?

敵として相対していたのだからその扱いも仕方ないのかもしれないがひどい行いであるところはどうしようもなくガサツでひどい


そんな扱いを受け、浮かんでいたうさぎさんに変化が訪れるのはそれかすぐだった。傷がふさがっていきながら毛並みがつやつやになっていくではないか。

数分もするとあら不思議先ほどまでは血を流しいつ死んでも可笑しくないほどの重傷だったのが、今は傷が治りきり純白の毛を水の中に漂わせているのだ。


うさぎさんの様子を上からのぞいていた大きな黒いのは傷の治り具合を確認すると大樹の方へと歩いていくのであった。












そしてうさぎさんは目を覚ます。

目を覚まして最初に見るのが水の中である驚くのも仕方ないうえに

どうして生きているのかもわからない 謎すぎる状況だが一つだけわかっていた。

このままでは溺れて沈む。

毛が水を吸い重いうえに、バタバタと手足を動かすことで水が口に入り思うように息が出来ない 苦しい


そんな様子をかんじて空から黒い影が近づき掬い上げる

大きな手の中に乗せたうさぎさんは状況が分からずさらにあたふたとし、その姿を面白そうに見下ろす影


大樹の前に移動しうさぎさんを地面に降ろすとその場に伏せる影

その全容が現れる。

黒い鱗を持ち背には翼そして鋭い牙と爪を持つ

金に染まる目を持つそれを竜といい 生態系の上位に君臨する王のような存在

存在というだけで王ではないがその畏敬にあやかろうとする生き物もいる。


性格は個体により違うがその力は間違いなく強い

怖れを抱かせる代名詞でもある。



「さて わしはニーズヘッグという

 よろしくのう この大樹の守りを主にするものじゃ」

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