うさぎさん ぶつかる
今まであった中で特大急に大きい敵であり、強いものが出している威圧感というか存在感を発している強敵
全力で逃げなくてはいけないのにそうしようとは考えられなかった。
いや、逃げることができないと悟ってしまった。
逃げても追いつかれるしどこででも見つけられるそん感覚がよぎって仕方ない。
ならすることは抗うしかない 少しでも生き残れるようにするしかないと直感的に知ってしまった。
「抗うがいい 若造!!!」
そう叫ぶように爪を突き出してくる黒い恐怖
その勢いは風を巻き込み音を轟かせている指一本分のうさぎさんを串刺しにするかという攻撃だが、すぐさま魔力を高速で巡回させ体を強化し後ろに跳ぶ!
体にあたるギリギリでよけるが、地面を削り大きな爪による衝撃が余波として吹き飛ばすほどの強風を作り出した。
もちろんギリギリでよけたうさぎさんを飛ばしたが、ほかにも周囲の木をも根っこから吹き飛ばしてしまう。
しばらく土煙が舞うが翼を軽くはためかせ黒い恐怖を中心に景色が晴れるがうさぎさんがそこにはいなかった。
どこにというと、吹き飛んだ木に重なり挟まれ自らの血と土に汚れていた。
生きているまだ生きている
うさぎさんは意識を保ち自分がまだ生きている実感を痛みから知る。
そして魔力をさらに巡回することで雷を体から迸らせ蹴る!
乗っている木を切り上げどかすと
その場に雷の残痕をのこし空に跳ぶ
その速度は雷の如く
力では無理なのだから速さで
その勢いを保ったまま激突する
偉そうに地面に立っている黒い恐怖のがら空きのおなかに向け、勢いそのまま頭突きをかます!!
頭が食い込み強い衝撃を叩きつけた!
「ぐあああ!!!」
そして後ろに軽く浮きながら転ぶ恐怖の存在
その姿は変わりないのだが違いを作り出せた。
頭突きを食らわせた部分の外に違いはないが、内には大きな衝撃を与えることができたようだ。
せっかく近づいたのだここで終わるはずがない
それだけのものを食らったのだから
うさぎさんは敵が転んだときに頭が離れ体制が変わる
感情が高ぶったことでいつもの放電量よりもさらに激しく熱量もあがる
そんな雷を纏った足でもって蹴る!
その攻撃は表面を焦がし、中に雷を流し込みながら敵の巨体を吹き飛ばすことを成功させた!!
巨体を引きずるように吹き飛ぶ敵はそれでも100mもいかないくらいで止まるがその後は一つの川のような道を作り出したのだった
「がはははは!!!!
気合の入った いい攻撃だ!!
貴様! やるじゃないか!!!」
そう高ぶりながら起き上がる黒い巨体は自らをこの姿にした生き物をであるうさぎさんを見るが?
「なんだ もう限界か…つまらんのう」
巨体の目の先には地面に血に染まったうさぎさんが倒れていた。
その姿はやり切ったといわんばかりの表情をしているように見える
やりこめたことに満足したと言うように……
そんな姿のうさぎさんを見て黒い敵は
「……惜しいな」
そんなつぶやきを吐き出し空を仰ぎ見ていたが
うさぎさんに顔を近づけ……
口に入れる。
そして周りを見回し傷つけられたおなかを見ると薄っすらと口角をあげ
天に伸びる樹に向かい飛び去って行った。
後に残ったのは血に染まる元白い毛とうさぎさんの血の跡だった。
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