うさぎさん 出会う

 戦いの傷を薬草によって1月かけ完治させたうさぎさん。

現在は魔力を使った状態での加減の仕方を試しているのだが、もう周りは生き物だったものと戦闘跡が広がっている。


 力の使い方と、どういう力なのかを知ったとしても

力の調整や感覚は実際に試して努力するしか手に入れることのできない部分なので鍛えていた時のように使い続けているようだ。

成果は著しくないようだが、加減と言っても加の方に大幅によっているようであり、無駄に破壊して進み伐採しているかのように木が地面に複数転がっている。

もちろんのように下敷きになる骸達


 なかなかうまくいかないのもしょうがなく思う。

もともとはただのうさぎだったのに、力をもらったといっても周りは強めの敵ばかり手加減なんてしていられないのだ。

むしろ力を込めて消し去るくらい普通の世界

生き残るためには情けをかけるなどありえないのだ。


それに、逃げ続け余裕を持てない状況が一変して抗う力を手に入れ

今までの鬱憤を吐き出すように駆逐しているためそんな事考えてもいられなくなったのだ。 

我慢を続けている者が怒ると本当に恐いものだ。








一通り暴れて、獲物が近づかなくなりここでやっと周りをしっかりと見渡したうさぎさんは、己で巻き起こした被害をようやく認識した。

うさぎさんの周辺が上から見るとぽっかりと穴が開いているように切り開かれており、地面には屍と血により地面の色の方が少ないという。

草食動物が1匹だけ生きているのが不思議な空間を作っていた。


腕を組みただただ満足そうにしているうさぎさん

よほど楽しかったのすごくいい顔をしているように見える。

そんな状況を作り出すのだから音やら匂いが敵を引き寄せるのも必然



見渡しがよくなったことで空がよく見えるようになった

そのなかで遠くに見える他よりも大きな樹を見つけた

見つけたというより目立っていた。

なぜか既視感というものを感じた。

懐かしいような、神々しいような不思議な存在

気になるうさぎさんは目的もないしという事であの樹を目指すことに決めたのだが、

その方角をよく見ると何か黒いのだんだんと大きくなっている。

まるで近づいているようにと首をかしげるうさぎさん


気になってずっと見ていたが、何故か黒い中に光が生まれた。

そして、地面に着弾 凄まじい砂煙と轟音をまき散らしその着弾地点はそのあまりの火力により赤く溶けていた。

うさぎさんは急ぎ跳び何とか回避していたがほんとにぎりぎりで直撃はしなかったが熱波による余波までは避けられず、その強風に巻き込まれ木のある場所まで勢いよくぶっ飛ばされていた。


「なんじゃ ちんまいのが耐えておる」

影が出来上がり空を覆うように翼を広げ小さなうさぎさんを見下ろしていた。

うさぎさんは起き上がり、その発生源を見上げた。


それは、黒 その中に黄金の瞳を持ち鋭い牙と爪を持つ

その力、恐怖 地面を溶かすほどの威力をもつ力と地力の力強さ

       そして、珍しい炎を操る


それは地面に降り立ち

「悪意の打撃者と言わるることもあったな、死体を裂く者と怖れられることもあった。

そんなわしでも、小童のような存在を見るのは久々だ。



さぁ 死合おう」

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