うさぎさん 鍛える

 ここは異世界の森

広く広がり、日本でいう北海道くらいの広さがある

ほんとに広いそんな場所だ。


 そして通称幻想の森 

中は恵みの宝庫で魔力により潤う植物が広がっている。

貴重な回復草、魔力を多分に含んだ水、そして強く魔力を多く蓄えた魔物

それが広がる森。


 何故幻想か?


森の恵みを求め集まる知性がある種族たちが中に入っていき戻る事のなかった者が多く、戻ったものが持ち帰るものが他の場所でとれるものよりも魔力を多く含み

貴重なものだらけの場所

幻のような貴重なものが集まる森だからこその幻。

 

 そんな幻を現実にした場所だからこそ集まるのは

貴重を求める生き物たち。

 そこは奥に進めば進むほど強者しか生きられない場所でもあったのだが、

幻を手に入れた己を想い挑戦したが最後

生きて戻ることができない者も多くいた。

成し遂げられなくとも考え馳せてしまう恐ろしい想い。


 ゆえに幻想の森



そんな森の中に一つの空間の裂け目が現れ、白いうさぎさんが出てきた。

異世界に地球産のうさぎが立った。


 まずうさぎさんがしたのは、草を食べることだった。

お腹がすいたのだ 仕方ない。 


 もしゃもしゃ

草を食べながら周りが気になるうさぎさん

もともとある警戒心が落ち着くための場所ではないと言っているようだった。


その原因が現れた。

血濡れの熊だ。

うさぎはすぐさまその場を駆けるが逃げきれず、なんか追ってくるもの増えている気がしていたが、とにかく逃げなくては食べられる。

せっかくの食の宝庫なのにとなんか違うことを思っていたうさぎさん。


 熊がなぜか転んだ。


後ろで転んだのを見たうさぎさんは、力を込めて跳び気に上る。

とりあえず安心したうさぎさんは下を確認した。


首だけ出した熊を同じくらいの大きさの蜘蛛が糸でぐるぐる巻きにしていた。

そのまま糸をどうにかひっかけ熊を引きずっていった。


なんて恐ろしい場所なんだ。

知能を得たうさぎさんはそんな恐ろしい光景を見て

神様が言ったようにすぐに死んでしまわないように強くならなければと奮起した。



でも強くなるって何だろう?

まぁ 当然の疑問である

うさぎは草を食べて寝てを繰り返して生きてきた。

そして走り回った。

こんなことを考え、走ってみようそれしかやったことがないしと考えつき

木の上から降りて、とにかく走りまわった。


走るって言うより跳びはねているのだが

疲れたら、休憩しながら植物を食べた。

そしてまた走る。

これを続けていた。寝るときは木の上、洞窟などで隠れるように寝るが途中で襲われることが多く、ゆっくりと寝ることが出来ずにいた。

そんな生活を続け数年


続く日の中には、食べたものが毒やら麻痺やらで苦しみ死にそうになることもしばしば、だがそれも近くにあった魔力水や回復草を見つけながら生き延びてきた。

そのうち、耐性ができ食べても何も起こらなくなり安心していた。

跳びはねることも以外に身体を鍛えることにつながりその身体を知らぬ間に強くしていた。 



 


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