うさぎさん おはしゃぎになる
おじい
うさぎさんへ いってらっしゃい
「うさぎ うさぎよ起きるのだ」
声の響く空間の中で一柱の神が、引き留めた白うさぎを見下ろしていた。
その声に反応するように目を覚ますうさぎは、きょろきょろと周りを確認?警戒?していた。
「おお!! ようやく目覚めたな
我は帝釈天と言う。まぁ昔は雷神インドラともいわれていたが、今は帝釈天の方で読んでもらおう。それが今の地球での信仰名だからな。」
白い大衣と羽衣を纏っている男神が空中に佇んでいる、その光景を下で眺めているうさぎなんかの絵巻の一枚のような状態だ。
「それでな?お前は異世界とつながった空間の裂け目に吸い込まれてしまったのだ。
何故そんなことになったかというとだな
つながった異世界の魔王とか言われている阿保と勇者なんてものが戦った時の余波で、わずかにあった勇者召喚の残りかすみたいな異世界同士の境界の穴が広がり
その穴が偶然空いた場所にお前がいて吸い込まれたという事だ。
穴の中を落ちているようなものなんでな、ここから戻すこともできないんだよ
悪いな……」
そんな風に説明している帝釈天様だが、ウサギに何を言っているのだろうか?と思うのも仕方ない光景だ。
「さて、そこで可哀相なお前にうさぎと縁のある私が生きていけるようにちょっとしたプレゼントを贈った。
まずは、何故こんなにいろいろ考えて、いろいろと色もついて見えているのかそこに戸惑っているのだろう。
本質は変わらんが、人と同じように考えることができるのと向こうは何かと命が軽く扱われているようなので、身体能力を鍛えるとしっかりと上がるようにした。
目の見え方だがサービスだな。
地球の人と同じくらいまで目を強化しておいたがこれも上がるので心配するな。」
うさぎはこの説明により己のすっきりした思考と色のついた視界の謎が解けて安心した。そして強くなれるという事に歓喜したためその場で飛び跳ね喜びを表している。
帝釈天はその姿に微笑みながらも次の説明を始めた。
「そして更にお前には魔法と言われる力を使えるように体に魔力を注いだ。
それは休むと自然の中にある魔力を吸収しもとの量に戻るとのことだ。
それもお前の身体が強くなれば吸収の上限が上がるようにしたので心配はない。
そして魔力には個人により扱える現象があるとかいうのでな、お前には雷属性を扱えるようにした。
私は雷神だからな 縁のあるものにも同じものを使ってほしいのだ。
さて、これですべてだ。」
うさぎは帝釈天の方を眺めながらお辞儀をした。
しゃべることができないので、動きで感謝を表した形だった。
「では、そろそろ渡る時間だ。
簡単に死ぬんじゃないぞ?魔力を多く持つと長生きできるようだからそうなることを祈っている。
うさぎとは短い命がほとんどだからな、生き急がず長生きするんだ
では、お別れだ。
達者で」
その言葉と同時にうさぎは何かに引っ張られるように白い空間から消えていった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます