第13話 父の真意

父「愛は様々な形があり、また種類すらも様々だ。

真の愛を知るには、どんな経験が一番有効な手段なのか。」


父は、俺に真意を話し始めた。


父「私は、いろいろと考えたのだ。

そして、男女間の愛と、親子愛

これを融合させたような環境に身を置いた時、どうなるのか。


今まで一夫多妻制と言うものがある。

これは、男性一人に女性が複数である。また、そこには子供ができるわけである。また、できない場合も。」


ジャン「父さんは、その環境から愛を学べと?」


父「学び、勝ち取る事が如何に難しいか。。ジャン、解るか?


見るが良い。 一夫多妻の者達を。

心底自分以外の者に対し綺麗な心でいられようか。


また、そこに子供がいる事に更に

我が子とそうでない子を、我が子とし、愛を注げるか。。


これは、大変な努力が必要なのだ。


その努力があってこそ、

一夫多妻の家族が綺麗な形で成り立つ。


一対一とて、努力なくして夫婦の愛など育めぬ。 また、我が子との関係性をもだ。」


ジャン「それは、わかるが。。。」


父「ジャン、私は努力のないところに、愛などないと考えている。


愛は、自然に生まれ、勝手に育つものではない。


だからこそ、

私はアレンと、リオンを生んだのだ。


一夫多妻の形の逆であり、また中心となる者は、大人の女性ではない。

幼子としたのだ。


その役目がリオンである。

リオンには男性を惹きつける要素を備えている。


リオンを中心にし、男性を周りに置く。男性同士の心がどのように動き、リオンを、愛し育てるのか。


この関係性から、リオンを愛しながら、自分と同じようにリオンを想う者の心を考え思いやれるか。


そしてリオンの心をも考え思える。 大変な複雑な関係性こそが、精神の向上へと繫がり、

又、「愛するとは」どういう事なのか。 当事者だけではなく、周り皆を巻き込みながら取り組むのだ。


そして、アレンとリオン。二人の関係性をも、周りに影響を及ぼす。


リオンは、男性を惹きつけ、愛される。 アレンは、惹きつける要素はなく違う愛され方をする。


二人の心の違いを見抜き、二人を如何に育てるのか。


それを教育面から指導していく為に

ゆうとセリがいる。


二人は、様々な愛を教育からの視点で神々に教え導く。


そして、ジャンとシリウス。


お前達は、私から生まれた。

アレンとリオンから言えば、兄妹のようなものだ。


ジャンとシリウス。二人がリオンに惹かれ、愛し

兄弟との関係性から同じリオンを愛する者同士の精神の向上等があるのだ。 


そして、アレンに如何にして寄り添うのかなど。。


複雑だからこそ、学びしろも大きい。


人々に愛するとはを導く為には、まずは、皆々が勝ち取る必要があり、

知らねばならないのだ。」


ジャン「解るが、なぜ、一夫多妻の逆をとるんだよ。」


父「一夫多妻は、もう、経験しておるだろう。 だからこそ逆にし、

女性である女神達には、一人の女の子に対し周りの男性達がどのように、絆を作り上げるのかを見て学び、

又肌で感じていかねばならん。」


ジャン「なるほどな。。女性と男性の違いをよく見、自分達とは違う事を学ぶと言うわけか。。」


俺は今までの経験から見て、

確かに、一人の男に複数の女性がつくという構図は、中心の男の力量が問われる。


そして同時に、女性の特有のもつ愛がなければ成り立たない。


では俺達はどうなんだ?

と自分に問いかけると、今解る範囲でも、リオンを愛しているのは、俺だ。


だが、おそらくは、シリウスであるシヴァも、中筒ですらも、リオンに惹かれている。


この二人のその想いを俺自身が考えた時、きっと俺の内側に表れるだろう嫉妬や、妬み。。



これは、遥か昔に光の神様とリオンが楽しそうに過ごす姿を見た時の俺の感情を思い出せばおのずとわかる。。。


まずは、俺自身に覚悟が必要なんだと

それが、父が俺に課す使命でもあるのだと解る俺だった。。。


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