第15話 軽井沢での生活
条件に合っている家を見つけたという電話を受けて僕たちは軽井沢に向かった。
その家は軽井沢の駅からは北に向かって2キロほど行ったとこにあった。軽井沢の別荘と言っても浅間山を越えてしまっているので北軽井沢だ。値段も相当に安くなっていたので仕方がない。別荘としてはかなりな大きさだった。希望としてはもう少し小さいものが良かったのだが贅沢は言ってられない。とりあえずここから軽井沢生活を始めて行くしかない。古いので相当に手を入れる必要があった。夢子さんがいて時々来てくれる従業員がいればまあなんとか直していけるだろう。
いわゆる軽井沢としてはかなり北にはずれてしまっているが、サイクリングがてらに食事をしたりお茶を飲んだりするにはちょうどいい距離だ。休日や週末には軽井沢はかなり混むので、少し外れているぐらいの方が生活しやすい。
もともと宣教師の避暑地として始まった軽井沢は教会の他にベーカリー、デリカテッセンや牧場などが多数ある。パンの種類も豊富でジャムも実にたくさんの種類があった。パン食文化の歴史は軽井沢では相当長いようだ。活火山である浅間山を中心に広がった軽井沢は草津伊香保渋川など温泉も実に多い。今度うつる家からは、湯の丸温泉辺りが近い。サイクリングの帰りに寄るにはちょうどいいだろう。
軽井沢は水と空気が素晴らしい
。白樺林を抜けサイクリングで牧場に寄ったり温泉に寄ったりするには軽井沢は最高の場所だった。レストランやカフェも多いのでサイクリングしながらあちらこちら食べ歩いたり美術館を見たりするには軽井沢は最高の場所だ。森も林も湖も美しく綺麗な沢も多くて夏の自然を楽しむには最高の場所だ。とにかく夏でも爽やかで快適だった。車で走りすぎてしまうにはもったいないが、自転車ならちょうどいい。軽井沢に住むということは自然と一緒になって生活したり軽い運動したりすることと同じだ。毎日体と命の喜びを感じながら生活して行ける。軽井沢は自然も人工の建物も全てが美しく調和している。
60の半ばを過ぎた男が楽しむには少々乙女チックすぎるところもあるがそういった場所や教会には近づかないことにして、高原の恩恵に預かって楽しむぶんには実に理想的な場所だった。
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