第4話 認知症

「認知症?」

ただ物忘れが多いだけだろうと思っていた。いい年になれば皆そんなものだろうでは済まされなっかった。妹は行きつけの病院を通じてケアマネージャにあれこれ相談していたようだ。


いい年になればみんなそんなもんだろうと思っていた。ただちょっと忘れが多くなって、おかしなことを言う、そんなもんだろうと思っていた。みんなそんなものだろうと勝手に思い込んでいた。しかし、他人 専門家から改めて言われると驚いてしまう。まさか自分のお袋が認知症になってしまうなんて考えたこともなかった。


俺に分かったことはとにかく色々な面でかかるということだ。お金だけじゃなく、世話も時間も必要だろう。これは会社を辞めた。正社員からアルバイトに戻してもらった。仲間や友人に聞いてみたらいろいろ分かったけれど時間とお金だけじゃなく時間や手間のかかる話ばかりだった。僕は何とかおふくろの面倒を見れるところは自分で見ようと思った。介護の二文字が今までなかったような力で僕を占めていった。一番ひたしい友人は自分一人だけで介護をやっていくなんて無理があるよ。親しい人からそう言われた。みんな同じような年齢になって、親も皆同じぐらいの歳になっていてもう介護のことを考えないで済む人はいなかった。僕は改めて驚いたもうそんなふうなんだみんな介護なしにはこの先生きていくのは難しいのだ。のほほんと生きてる間にこんな事になっちまった。


なんてこった誰も何にも教えてくれないんだ。それは当たり前の事なんだろうけど、なかなか本当には分からない。そうなってみるまでは…。

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