6:55
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目が覚める。
「行きたくない、、、」
先輩に会った次の日。
休みの日を今までだらだらと過ごしてきたツケで、久しぶりに予定を入れた事による反動が翌朝の今に出ていた。
辛うじて動く腕や頭も、まるで別の人のもののように上手く動かせない腰から下のせいで余計に重く感じさせられる。
先輩と出掛けたからなのか、学生時代が懐かしくなって帰ってから遅くまでゲームをしたからなのか。
はたまたそのどちらもなのか。
どれが一番の原因なのかは分からないけど、とりあえずここ最近で比べようもないくらい一番身体が重いのは確実だ。
昨日あった事は全部夢で今日が実は日曜日なんじゃないかと思い始めた。
会社に行くのが嫌過ぎて。
むしろ動くのすら嫌だ。
会社にさえ行ってしまえばとりあえず何とかなるのは分かってるのに、その前にこなさなくてはならない色々が面倒過ぎて理解だけで行程を終えてしまった。
「あああああ~~~~~~・・・・・」
ゾンビのような声をベッドに押し付ける。
眠くてどうしようもなくてあれこれ言い訳ばかりする頭でも、朝早くから上げた呻き声の音量を出来るだけ抑えようとする気遣いだけは出来た。
少し匂うマットレスカバーの匂いが優しくない。
「おはようございま~~~~す、、、ふっふふ、、、」
駄目だ。
眠過ぎて頭がおかしくなってる。
布団の中で蹲って一人でニヤニヤしてるのはあまりにも異常だ。
早く何かしらの措置を取らなければいけない。
ビーッ!ビーッ!ビーッ!
エマージェンシー!エマージェンシー!
緊急配備を要請します!!!!
「、、、起きよ」
限界まで頭がおかしくなりすぎて、峠を越えて谷に突き落とされたかのように表情が急降下した。
20代も半ばだというのに、小さい頃にやった人形ごっこのような妄想を口にしてしまった。
朝から、会社に行く前に。
(やめよう、、、)
深く掘り下げれば下げる程、詳細を突き詰めれば突き詰める程。
虚しさは形も大きさもはっきりとさせて襲い掛かってくる。
ただでさえ鉛のように重い身体をずるずると引き摺って、寝惚けた頭に残ったなけなしの責任感を頼りに朝のルーティンをこなしているのに、これ以上足枷を増やすわけにはいかない。
さっきまでの不可思議な言動は、、、そう。
昨日遅くまでやったゲームが原因だ。
決して寝惚けすぎて頭がおかしくなったわけではない。
うん。、、、うん。
〖来週は何時でも世那君に任せるから好きなタイミングで家に入ってきてくれ。ほんの少しくらいなら、寝姿に欲情して撮影するくらいの事は許そう〗
朝から、そんな相変わらずな安穏先輩のLINEにスタンプだけ返す。
その他にもいくつか来ていた公式LINEからの通知にも適当に既読を付けて、ちゃんと返さないといけなさそうなものは内容だけ確認して既読を付けずに放置した。
今の寝惚けた頭では、返す為の短い文章を考えるのすらしんどい。
最小まで抑えられたキャパシティで対応出来るのは、靴下の裏表を確認する事くらいだ。
寝惚けた頭には、仕事用の無地の靴下の裏表を見分ける事すらハードに感じるけど。
(暑い、、息苦しい、、、眠い、、早く昼休憩なって、、、)
行きの満員電車。
まだ会社にも着いてない朝の時間帯にも関わらず、昼休憩の事で頭はいっぱいになっていた。
休憩に入ったらまず寝よう。
それで、20分前くらいに起きたら軽く食べて仕事に戻って、夜はいつもより早く寝て回復しよう。
次の日まで建てられた綿密で長期的な計画のようで、その中身はどう休むかしか考えられてなくて、視覚化出来たら埋められているところを探すのが難しいくらいスカスカの計画書なんだろうなと心の中で自嘲した。
(なんか臭い、、気がする、、)
年々上がる気温のせいで、6月にもなると梅雨の湿気と初夏の気温で満員電車の過ごしづらさは格段に跳ね上がる。
春休み明けの4月も突然人が増えたように感じたけど、実際人が増えてないはずの今も、不快指数のせいで人口密度が上がったような気がしてくる。
眠気と暑さで頭がくらくらして、目の前にゲームの選択画面のようなメッセージウインドウが見える。
〖一旦降りる〗と〖耐え忍ぶ〗の二択。
一旦降りたところで次に来る電車でもどうせ同じような環境に置かれるだろうと理解してるのに、どうしても淡い希望を選択肢に込めてしまう。
いつからだっただろうか。
こうしてメッセージウィンドウが目の前に浮かぶようになったのは。
異世界転生物みたいに自分で呼び出してステータスを確認するような実体的なものではなく、あくまでイメージ上のもの。
ゲーム制作をし過ぎて、ゲームに関わり過ぎて、日常が少しずつゲームのように感じる事が増えてきた。
一日にしないといけない仕事も心の中でクエストと呼んでるし、気の置ける間柄の人との会話ではたまに会話の選択肢が出るようになった。
寝る前はゲームのセーブをするような、そんな感覚がある。
一種の職業病なんだろうなと思うし、何となく機械的で生気を感じる事が出来ないから、ちゃんとした社会人として生きるには治したほうがいいんだろうとは思うけど、、。
個人的には、あまり生気の感じられない少しだけゲームの世界に入り込んだような自分の生き方もそこまで嫌いではなかった。
眠たくてしんどくてやる気が出ない時も、キャラクターの状態異常だと思えば回復アイテムを使えばいいかで済むし、関わる人の事をプログラムされた行動や言動を取るキャラクターだと思えば会話の内容が自分にとって良くないものでも特に不快感を覚えずに流す事が出来る。
普通だったり正常ではないんだろうけど、社会人四年目になって無意識に辿り着いた一種の防衛本能的なものが働いた結果なんだろうなと思った。
正確にいつからだったかとか何がきっかけでとか。
そういうのも分からないくらい無意識的に始まったものだけど。
(考えるだけ無駄か)
一瞬だけ浮かんだ興味は、表示されていたメッセージウィンドウを選択するのと同時に消えていった。
まるで最初から興味なんて無かったみたいにあっけなく。
今はただ、この耐えがたい環境をあと2駅どう過ごすかだけを考えていたい。
「先輩、今日は蕎麦じゃないんすね」
以前は後輩、班長に昇進した後は部下になった細木が、慣れないカツ丼を食べる為に必死に冷ましている俺の前に現れた。
入社して一年と少し。
細木の成長スピードは凄まじく、たまにする変なミスを込みで考えても今実質四班のエース的ポジションを担ってくれている。
「麺は昨日食べたから何となく」
「え。まさかデートですか?」
「デートって呼べるほどのものじゃないけど一応異性相手ではあるかな」
「だからなんすね。朝からちょっとにやにやしてたの」
「、、、え?」
にやにや、、?
そんなつもりは全くなかったし、言われた今も思い当たる節がない。
そもそも、久しぶりとはいっても先輩と会ったからって翌日にやけるくらいの嬉しい事ではないはず。
うん。無い。絶対に無い。
少しでもそれが原因だと認めてしまえば、安穏先輩の表情が最悪な状態になってしまう。
「にやけてないよ」
「え。にやけてましたよ。なんかいつもより表情が緩い感じというか良い事あった感じというか」
「ううん。全然無い。もう不幸だらけ」
「絶望じゃないですか、、」
危なかった。
安穏先輩を調子づかせてしまう原因をどうにか排除する事が出来たし、カツ丼は丁度食べやすい温度になってきた。
これで食事に集中出来る。
正確無比かつ迅速な対応によって、平穏な昼休憩は守られた。
「え!?久しぶりに見たそれ、、」
カツ丼も残り僅かといったところで、先に食べ終えた細木が始めた携帯ゲームを見て食事の手を止めてしまった。
手持ちではなく机に置いた状態で操作していたからこそ気付けたそのゲームは〖DUSH〗
中学生時代に同年代の中でとんでもない一大ブームを起こしたゲームだ。
画面の左から右に走り続ける棒人間を、コースに接地された罠に落ちないようにタイミングを見計らってジャンプをするというだけのシンプルなゲーム。
押すボタンが一つという操作性の簡単さと落ちなければいいというシンプルかつ明確なルールのおかげで、そこまでゲームに興味が無い層にまで流行っていった。
いつの間にかブームは過ぎいて、久しぶりに目にした今まで思い出す事もなかった。
「昔好きだったんですけど、一回無くなったんですよね。それが最近リメイク版出たんでダウンロードしてみたんすよっ!あっぶない!」
頭を使う要素なんて無いに等しいのに深く集中する細木を見て、中学生時代の〖DUSH〗に向けていた熱量が徐々に思い出された。
あっ、そこ危ない!
そんな長い距離ジャンプしたら次の罠がっ!!!
もう、あれだけ美味しい美味しいと食べていたかつ丼はただ口に搔き込むだけで興味を失っていて、細木の安定性の低いスリルのあるプレイングに意識が奪われていた。
ほぼ無意識の内に、自分の携帯にもアプリのダウンロードを始めている。
ダウンロードするのに300円かかったけど、そんなものは何のしがらみにもならなかった。
今あるのは、早くかつ丼を食べ終えたいという気持ちと、残りの休憩時間でどれだけステージを進められるのかという焦りだけだ。
細木曰く合計100ステージあるらしく、最速でクリア出来たとしても8時間はかかるらしいから、20分で出来るのは3~4ステージくらいだろう。
(ノーミスで最短なら5はいけるかな、、、)
久しぶりに、ゲーマーとしての火がつく音がした。
だらだらと消化するだけの携帯ゲームでは決して入る事のないスイッチが、
時間制限と自分で付けたノルマでオンに切り替わる。
かつ丼は今や早くゲームをする為の足枷になっていた。
小さい頃にゲームは宿題をやってからと言われた時の焦りのような、そんな感情がかつ丼に向けられている。
早く胃の中に入ってくれ。
早くゲームをさせてくれ。
口いっぱいに頬張って制限時間を気にしながら焦ってるのに、小さい頃の教育の賜物のせいでかつ丼を残すという選択肢はなかったし、かつ丼を邪険にしつつも完食を煩わしく感じる事はなかった。
(よし!!ステージ4クリア!)
何とかかつ丼との闘いに勝利して10年ぶりに向き合った〖DUSH〗は、操作性のシンプルさや落ちないようにするだけというシンプルなルールは変わらないのに、グラフィックや罠の質が格段に上がっていた。
前までは単純な落とし穴や空中に立ちふさがる壁くらいだったのに、今は踏んだら1秒間動きが鈍くなる電気沼だったりジャンプ力が低下する毒キノコだったりの要素が追加されていた。
ステージ4までの間でこれだけの要素が増えてるのに、細木曰く進めるごとに罠は多種多様になっていくらしいから、改めて振り返っても300円はこのゲームにとっては何の足枷にもならなかったんだなと思わされた。
これだけ凝った作りで、短くても8時間は遊べるゲームで300円。
社食でかなり手頃な金額で出してくれてるかつ丼でさえ350円するのに。
8時間で300円のゲームと20分で350円のかつ丼。
ゲーオタである俺にとっては、かつ丼よりも圧倒的に価値のあるゲームになった。
現時点の満足度だけでも実質タダで購入出来てしまった気さえしてきてる。
「先輩、そろそろ行かないとまずいっす」
「もうちょっと!」
2回目の挑戦を迎えたステージ5。
ここまでミスをする事なく進められたのに、嫌なところに配置されてる壁罠のせいで中々上手く進む事が出来ない。
休憩時間がもう終わる寸前だと頭では分かってるのに、手が止まらない。
ゲームの内容だけじゃない。
この熱量さえも当時のまま。
まるで中学生時代に戻ったような感覚に陥る。
「先輩!」
休憩時間という制約以外は。
席が最後尾で前に座高の高いクラスメイトが座ってたあの頃は、授業中でも関係なくゲームが出来ていた。
仕事となるとどこにでも人の目はあるし、そもそもそんな余裕が無い。
掛けられた声に驚いて細木が指さすほうにあった時計を見て、ゲームが操作途中だった事も忘れて急いで持ち場に戻った。
まさか、食後すぐに会社内で走る事になるなんて。
こんなところまで学生時代を再現しなくていいのに。
「疲れたあ~、、、」
昼休憩やトイレ休憩、自販機休憩という名のサボりまでしたにも関わらず、いつにも増して疲労感が身体の多くを占めてる。
「ステージ10やらないと」
昼休憩後、何とか合間を見つけてはトイレに逃げ込んで〖DUSH〗を進めた。
あんまり長居するととんでもなく腹を下してる認定をされてしまうからそれだけは避けないといけない。
そんな、自分の尊厳を守る為の時間制限も相まって集中力が高まり、1トイレにつき1ステージをクリア出来た。
元々IT課とSE課を行き来する立場だし道中でトイレに入ってしまえばそう何度も駆け込んでいるのはバレないけど、出てきたところを毎回同じ人に見られてしまったら変な噂が立つ。
噂を仕入れたら、田口や細木辺りが喜々としていじりに来そうだ。
(アイテム、、?)
ステージ10以降の追加要素として、アイテム使用が解放された。
穴を埋めるセメントだったり、ジャンプ力を上げるバネだったり。
アイテムが使えるようになるのと同時にコースの難易度が上がって罠の種類も増えたけど、学生時代には無かった要素に気持ちは高まった。
熱中し過ぎて、未だ玄関で座って壁に凭れた状態から抜け出せない。
まだ19時。
寝る時間まではかなり余裕がある。
「やっと20ステージクリア、、、」
ステージ20以降の追加要素は新アイテム。
ステージ10の追加要素に比べたらあまりにも地味だけど、空中で使用すると風力で前に進めるジェットエンジンというアイテムが楽しくて、思いの外満足感があった。
まだ20時。
夜は始まったばっかりだ。
「ジェットエンジン最強過ぎる、、」
気付けばステージ50をクリアしていた。
10ステージごとに追加要素として新アイテムが色々あったけど、ステージ20で追加されたジェットエンジンが最強過ぎて他は大して使わずにここまで進める事が出来た。
地上にあるどんな罠も、空中を飛んでしまえばなんの障害にもならない。
たまに障害になる宙に浮く壁は、下を走って通過すれば問題無い。
落ちてるのを見つけて拾わないとアイテムは増えないけど、ジェットエンジンを手に入れてしまえば勝ちが確定してしまう今の状況ではどうでもいい些事に思えた。
まだ22時。
ここからがゴールデンタイム、、、、、22時!?!?
「玄関で4時間近く座ってたのか、、、」
現在時刻よりも、そんな事実に驚愕した。
別に体調が悪いわけでも無いのに玄関に座り込んで4時間。
モバイルバッテリーまで挿してひたすらに〖DUSH〗に熱中した。
前々からかなり重度のゲーオタではあると思ってたけど、ここまで来るとゲーム廃人と言い換えてしまったほうが良い気さえしてきた。
流石にお腹が空いてきたしお尻も腰も痛い。
時間とその異常性を理解して漸く、身体の現状を鑑みる事が出来た。
「ご飯食べるか、、」
帰ったらすぐに〖DUSH〗をしようと決意し、晩御飯は菓子パンとコーヒー牛乳をコンビニで買ってきた。
帰ったらすぐに食べて限界の時間まで〖DUSH〗をしようと。
あの時はまさかご飯を食べる間もなく玄関で始めてしまうなんて事思いもしなかったし、6月の気温の中で4時間も過ごさせてしまったコーヒー牛乳はとうにぬるくなってしまっていた。
一緒の袋に入れている菓子パンの包装も、水滴で濡れている。
菓子パン側は中身に何の影響もないはずなのに、何故か食欲が下げられてしまった。
外側から見れば水滴のついたパン。
美味しくなさそうに見える。
「普通だ」
美味しくもなく不味くもなく。
コンビニで買った菓子パンは、少し湿ったような気がするだけで食べ慣れたいつもの味をしていた。
前まではコンビニで弁当類を買ってレンジで温めて食べる事が多かったけど、最近ではおにぎりとか菓子パンとか。
何の調理行程を挟まなくても食べられるものを選ぶ事が増えてきた。
お昼は社食でちゃんとしたものを食べてるし、実家で散々言われた栄養バランスもそこまで崩れてないだろうと思う。
栄養の勉強をしたことなんて無いし、実際のところどうなのかは分からないけど。
一日三食も家に帰ればご飯が用意してあったのがどれだけ感謝すべき事だったのか。
一人暮らしをして二年くらいで実感して、そこからは実家暮らしの時は無かった母親への感謝も心の中でするようになったし、母の日にLINEで感謝を伝えるくらいの事はするようになった。
電話とか直接とか。
そういうのは気恥ずかしいからしたくない。
ふとした拍子に思うだけで常に感謝をし続けてるわけではないから、日頃のLINEの返信速度だったり分かりやすいところに態度として出る事も無い。
楽をしたいから実家に帰りたいという思いも無かった。
実家に帰れば家事面で段違いな楽さを手にする代わりに、仕事以外でも人を気遣って生活しないといけない面倒くささが付いて回る。
家事と人付き合いの面倒さを比べれば、迷う隙もなく家事を選ぶ。
洗濯機も掃除機も、どんな時間にどんな扱いをしたところで文句一つ言わずに従ってくれから。
たまに起きる不機嫌という名のエラーも、説明書を見れば対処法を書いてくれている。
それに比べて対人関係は、、、。
エラーが起きたら察して対処する能力が必要になってくる。
家電の説明書みたいに、事細かく対処方法を明記してくれたらいいのにと今までの短い人生で何回思った事か。
社会人になって上司と後輩の板挟みが増えてからは余計にそう思うようになってきた。
自作ゲームの製作に関わってる今だからこそ熱量を持って仕事を出来てるけど、これが終わってしまったら燃え尽き症候群になってしまわない自信が無い。
仕事を辞めたいとまでは思わないけど、就活中や新入社員の時期みたいな仕事に対する熱量はいつの間にか燃えカスしか残ってない。
辞めたいとは思わないけど、辞めたくないと強く思う事も出来ない。
かといってそれで悩んでるかというとそういうわけでもない。
きっと宝くじで数百万が当たっただけで辞めてしまうんだろうなとたまにぼんやり考えるくらいだ。
数百万だったらどのみち投資だったり転職だったりをしないといけないのに。
「ステージ70クリアっと」
時刻は2:00。
ご飯を食べてお風呂に入ってだらだらと寝る準備をしてからキリの良い所まで進めようと〖DUSH〗をしていたら、こんな時間になってしまった。
こんな時間といってもこまめに時間は確認してたし、ここまで遅くなってしまったのは偶然ではなくて故意だけど。
時間を確認しつつもやめられなかった。
最近では動画サイトで短い動画を流し見たりSNSを見たりを交互にしてたらこの時間になる事が多かったけど、一つのゲームに集中してこの時間になるのは数年ぶりかもしれない。
色んなコンテンツを流し見て過ごしてた時間がたった一つのコンテンツで過ぎ去ってしまった事に、何となく勿体ないという感情が浮かんだ。
どのみちなんの意味も無い時間を過ごしてるし、意識高い系の人達からすればどっちも勿体ない時間なんだとは思うけど。
意識高くない系かつ手軽に摂取出来るコンテンツが好きな自分にとっては、短い動画も短い文言で作られたSNSも、日常に欠かせないものになっている。
それはある意味お酒やタバコみたいな中毒性のあるもののようにも思えてくる。
散々ゲームをして、一日働いた疲れも襲ってきて、今すぐ寝ないと明日後悔するんだろうなという気持ちもあって。
それでもSNSを開いて更新されたものを確認してしまうくらいには中毒になってしまってる。
流石に更新されたものを一つずつ確認する余裕はなくて、流し見る程度になってしまうけど。
(今日はもうここまでかな、、)
見終わってないコンテンツはまだある。
それでも、2:30にもなると流石に興味よりも明日への心配が勝ってしまった。
学生時代なら、そんな事気にせずに何時まででも好きな事に時間を割く事が出来たのに。
自由を謳歌出来ると思ってた社会人は、時間的にも世間体的にも多くの制約が設けられていた。
(おやすみ)
携帯に引き込まれそうな意識を無理矢理引き剥がして横向きに蹲る。
今日も、メッセージウィンドウを開いてセーブボタンを押し、一日を終えた。
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