第7話*家族総出は幻のイベント

「まぁ、いい」


 プロイがため息をつきながら、そう言って母と彼の問答が終わった。


 それにしても、父親はまだ来ないのか。


「父上は、ご多忙により祝福の儀にはご出席なさらない」


 俺の思考を詠んだかのようなタイミングに発せられた、プロイの言葉に母は顔を青くする。


「そんな……! 祝福の儀には家族は皆、出席するのが習わしなのに」


「しかたがないだろう。数年まえからの魔物活発化により、深刻な被害があちこちにでている。父上も公爵としての責務を果たすために尽力しておられるのだ」


 悲し気にうつむく母に、プロイは無慈悲にも更なる追い打ちをかける。


「それから、ランビリーゾは宮廷魔導師として、アクティノヴォローは騎士として狂暴化した魔物に対処している。よって、二人も欠席だ」



 うーん。

やっぱり、俺って嫌われてる?

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