班決めが嫌いな人

 俺が澪さんの彼氏役を請け負うことになった日曜日から金曜日の今日までいつもより噂話に敏感になって生活してみたが今のところ澪さん関連の噂を聞くことはなかった。

 それよりもクラスの中で話題となっているのは今日の班決めについての話だった。俺は雪さんと組むことだけしか決まっていないが余りの一人になることはないので別に気にすることはなかった。


 午前中の授業と昼ご飯を取り終わり、午後からの二限分の時間を使った班決め+説明会が始まった。


「じゃあ、まずは交流行事の班を決めてもらう。一応言っておくがこの行事は交流がメインだからな、班同士の交流は多いから一緒の班に固執することはないぞー」


 鳥川先生が教卓のところで話してはいるもののクラスの中はもうすでにお祭り騒ぎとなっていて後ろの方の席の人たちはほとんど聞いていなさそうだった。


「で!班決めのルールなんだが一班、二人以上五人以下で組んでもらうからな!そんで一クラス十班までだから後で変えるかもしれんが、とりあえず好きに組んでくれ」


 黒板のマグネット付きのタイマーが開始され、班決めが開始した。

 とはいっても、もう決まっている俺と雪さんは追加のメンバーを探す必要もないので机を移動させて次の準備をしていると部活動見学の時に仲良くなった、光さんが話しかけてきた。


「ねえ、蒼汰のとこって二人だよね?」


「そうだけど…」


 多分、部活動見学の時みたいなことが今回も起こっているのだろうがさすがに今回もどうにかするっていうのは雪さんのことを考えると同意できそうになかった。

 だから話を聞いてからすぐに断ろうと思っていると雪さんが朝に配られたプリントの一部分を指さして見してきた。


「蒼汰君…これ」


 そこに書かれていたのは『三人以下の班は二班を合同して参加してもらうことになります』という文だった。


「あ、これこれ!アタシら三人だからさ一緒に参加したいな~と思ってさ」


「うん、いっしょに、やろ…」


雪さんがいいなら俺も、という感じで交流行事は俺と雪さんに加えて、光さん、宵さん、海さんの女4、男1のアンバランスではあるが楽しくできそうなメンバーで行くことになった。



「おお、綺麗に分かれたな~このクラスが40人で5人班が8つ、これなら調整とかもいらんな。それじゃ、初日の予定から話していくか……」




 

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