転生して全能になったけど魔力皆無で使い物にならない

#2

「こっち来るなああああ!!ショット!! ショット!! ショット!! ショット!! ショット!! ショット!! ショット!! 」

「その武器、意外と強いね…侮れないな。」

「〈ダーク〉こ、こっちの方が強いぞ!!」

　俺は機関銃を持って狙撃スキルを発動する。

「この僕を近寄らせないとは…なかなかの実力だ。じゃあこれはどうかな？」

　奴の目が紅く光る。

「悪魔スキ…」

＿＿ドシュッ!!

　どこからともなく飛んできた槍が四魔族に突き刺さる。

「あ、いたんだ。久しぶりだね、せーんぱい!!今度お茶でも…」

「すいません。あなただけはどうも生理的に受け付けないんです!!ごめんなさい!!」

「またダメだったかぁ…」

　四魔族の奴に何かを突き刺したのは同じく四魔族のベガだった。

「どうしてこんなことをするんですか。四魔族の1人、生と死、死神ベルゼルさん。」

「先輩こそ、どうしてこんなとこにいるのさ、裏切り者、破壊と創造、不死種ベガルサ先輩。」

「私はここの商店街でお店を出していたんですよ。お客さんの喜ぶ顔が嬉しくて嬉しくて…」

「分からないなぁ…どうして人間なんかの味方をするの？」

「私は元々人だった身、記憶は無くても、本能で覚えているのです。」

「この槍、先輩が作ったの？凄いね、返しがついていて抜けないや。」

「あなたは私を大事にしてくれる町の皆さんを傷つけました。分かってますね？」

「分かってるさ。開戦だろ？」

「ケンタローさん!!あなたはヴィラグさんの討伐に当たってください!!コアを修復不可能なレベルまで破壊すればきっと動かなくなります!!」

「わ、分かった!!でもそいつは!!」

「ベルゼルさんは私が相手します!!」

「ありがとう!!」

　ベガは四魔族、俺達よりもはるかに強いはず。大丈夫。

「おし!!ヴィラグの本体を攻撃しろおお!!新しく作られたゴーレムはボブが破壊してくれる!!気にせずやれええ!!」

　あの時、俺が習得したギルドのみんなのスキル。

「“不可避”!!“ショット”!!ルル繋げろ!!」

「もちろんだ!!至近斬撃魔法!!」

　ルルはようやく自分に合った戦い方をするようになった。

「その体、ボロボロになるまで痛めつけろオオオ!!」

　俺とルルの連携は完璧だった。

　次第にヴィラグの出すゴーレムの量は減っていく。

「ボブ!!本体を思いきり遠くへ殴り飛ばしてくれええ!!」

「〈フレイム…」

　だが、この時、誰も覚えていないであろうことが仇となる。

　そう、ここは前にヴィラグと戦った場所でもあるのだ。

「〈タイタン・ゴーレム：リサイクル〉」

　地中に埋まっていた数十メートル級の巨大なゴーレムの残骸が組みあがった。

　これを出されてもあの時と同じ戦法は取れるだろうか…

　いや、多分無理だ。

　あの時の作戦はこいつに感情があったからできたもの。

　今、操り人形と化しているこいつでは無意味だろう。

　この巨体、なんとか都合よく倒れたりしねえかな…

　デカい木の根っこなんかにつまずいて倒れてくれたら…

『それは我の契約用の種、それを持っていればいつでもどこでも我と契約して我の力を借りることができるぞ!!』

　俺は“植物型悪魔の種（ガルドの残機）”という超便利アイテムを持っているということを思い出した。