#7
あの日から数日が経つ。
「ケンタローいいんですか?魔界に行かなくて。魔王を倒さないんですか?」
「倒さない。というか倒せないだろ。先生のスキルをもってしても敵わなかった相手にどうやって勝つんだよ!!」
「それは…」
「きっと、王都の騎士たちがやってくれるさ。俺達はもう十分金もあるんだし、誇れる称号も貰った。これ以上何を望むんだよ。」
きっと、魔王を倒しに行かなくても先生なら許してくれる。
そう、先生なら…
だが、運命がそれを許さない。
それは一瞬の出来事だった。
町から大きな爆発音が聞こえた。
防災無線のようなところから聞いたこともない警報が鳴った。
『魔王軍警報!!魔王軍警報!!一般人の皆さまは即座に家の中に隠れてください!!上級職以上の皆さまは戦闘に参加してください!!繰り返…や、やめて、やめて!!命だけ…』
__ベキ!!
__ブツッ…
つい、数日前まで平和だったこの町は、血に染まった。
「おい、みんなどこ行くんだよ!!」
「どこって、戦いに行く以外にあるか!!」
「バカ!!今行っても死ぬだけだ!!聞いただろ!!いつもと警報音が違っていた!!きっと、今までにないレベルのが来てるんだよ!!」
「ケンタロー、行きましょう。ベガが、あの町にはいるんです!!ギルドの受付のお姉さんも、ベルトも、みんな、行かないと死んじゃいますよ!!」
どうすればいいんだ!!
もう金には困っていない。
でも、それよりも、町が壊されたら…
「分かった。行くよ。行けばいいんだろ!!」
この選択が、後の俺達の人生を大きく変えることになるなんて、この時は誰も思わなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます