#4
「これだけの月日が経ってまた来るとは思わなかったぞ。」
「弟子がそろそろ魔界にやってきそうな気がしての。そのために
「そうか。だが、我はあの時よりも数百倍強くなっておるぞ。」
「知っておる。魔王であるお主は全ての魔族の能力を持っておるからのう。」
「その通りだ。年老いた貴様など敵ではない!!」
「そうか、では、始めようかの。」
「もう始まって…」
「〈ダークネス・エクスカリバー〉!!」
__ザシュッ…
“もう始まっているだろう”魔王がそう言い終える前に、デルタの斬撃がその胴体に炸裂する。
「な、何故だ…確かに我はあの時から強くなっているはず…」
「お主が強くなっているのであればワシも強くなればいいだけじゃ。」
「さすが先代勇者の右腕、人間の域を半分出ているではないか…」
「お主もその程度じゃあ死なんのじゃろ。何せお主は“魔族の悪魔”なのだから。」
魔族の悪魔
その名の通り、魔族を操る能力である。
それだけではない。
奴の怪我や死は魔界の中のランダムな魔族の死に変換される。
現段階での魔族の量は5600万体程度
故にほぼ不死身。
「ここまで大量殺戮をしてきてよかったわい。残機を5億以上も減らせたわけだ。」
「どうかな。〈魔神斬撃〉」
「“
その能力は、初見の技によるダメージを3分の1に抑えるもの。
しかしこの技は自身の武器に3分の2のダメージを肩代わりさせることで成り立っているため、弱い武器では使用不可になってしまう可能性が高い。
さらに大きなデメリットとして初見ではない攻撃には使えない。
だが、そんなデメリットはデルタには通じない。
なぜなら
「なるほど、もろに食らっていたら即死の攻撃か。では、〈バーニング・エクスカリバー〉!!」
__ザクッ…
「バカな、我が魔王となった今でもこいつに圧倒されている!!〈魔神斬撃〉!!」
「〈シールド・エクスカリバー〉!!」
デルタに同じ技は通じないのだから。
「〈ブリザード・エクスカリバー〉!!」
「ガハァッ!!」
「〈ハリケーン・エクスカリバー〉!!」
デルタの猛攻に魔王は圧倒される。
もはや手も足も出ない。
「〈ロック・エクスカリバー〉!!」
「まさか、この我が…こんな老いぼれに…!?」
だが、デルタにも限界が近づいている。
「〈ライトニング・エクス…ガハッ!!…ゲホッゲホッ!!」
魔剣エクスカリバーはエクスカリバーである以前に魔剣だ。
その力はいくらデルタであろうと、老体には負担が大きすぎた。
デルタは口から大量の血を吐いた。
「貴様のようにかつて全盛期の我を瀕死の状態まで追い詰めた人間でも年端にはかなわぬか。」
「負担が大きいだけで魔力はまだ半分残っておる。あの頃、お主に使えなかった技じゃ。この50年分の修行の成果を今ぶつける!!」
「貴様、まさか…!?」
「なに、ただの自爆技じゃよ。」
魔王城と殺した魔物から抽出した魔力、残りの寿命、残りの魔力をかけた〈ダークネス・ファイナル・エクスカリバー〉
空間を共有する者に斬撃を必中させる〈フィールド・エクスカリバー〉
この二つを組み合わせた代償が大きすぎる世界最強の一撃。
それを放つ瞬間、彼の命は魔力へと変換され、魔王城は砂と化す。
「〈ダークネス・フィールドエクスカリバー〉!!」
魔王は無数に出現する魔剣エクスカリバーによって肉片と化した。
膨大な魔力によって爆発した斬撃は闇を孕む光となって消えていった。
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