#3

「うあああああ!!」


__ザン!!


「次、」


「うおおおおお!!」


「次、」


「オリャアアアアア!!」


「次、もっと骨のあるやつはおらんのか?」


「つ、強すぎる…でも、魔王様直属の近衛隊隊長、零の悪魔には…」


「なるほど、そんなのがいたのか。」


「フッ、さすがの貴様でも、あの方には攻撃が通じないだろう。四魔族以上の能力と膨大な魔力、この世界で最も魔王様に近い魔ぞ…」


__ザンッ!!


「そうか、教えてくれてありがとうな。」


 魔界の中心に近づき、既に4億代後半の数の魔族と戦ってきているにもかかわらず、デルタは50年前の傷を除けば無傷だった。


 魔王城がもう目の前に見える。


「ほう、ちゃんと魔族しか通れない結界が施されているようじゃのう。」


「今だ!!かかれえええ!!」


__ザン


 魔族討伐数5億体を突破。


 魔界の魔族の9割の殲滅に成功。


「さあ、零の悪魔とやらがどれだけ強いのかを教えてもらおうではないか。」


「私の事かな?」


 気配がない。


 さすが零なだけある。


 膨大な魔力を持っているのだろうが、人間が感知できない特殊な魔力だ。


 デルタと零の悪魔


 この2人の決着は3秒で決まる。


「悪魔スキル:ゼロモーションスラッ…………」


「〈ダークネス・エクスカリバー〉」


 例え魔王に最も近い魔族と呼ばれた者でも、デルタに傷をつけることすらかなわない。


「ありがとうな、おかげで魔剣が全盛期の性能を取り戻したわい。」


 魔剣エクスカリバーは倒した敵のスキルや魔法、魔力を回収し、使用することができる。


 人間を含めたこの世界で魔王に最も近い者はデルタであった。


「この程度の結界、〈フィールドブレイク・エクスカリバー〉!!」


 魔王城の結界、崩壊。


 デルタが魔王城に足を踏み入れると一気に魔族が押し寄せてくる。


__ザン


 デルタの一振りで全滅。


 その中に四魔族の1体、支配と自由が混ざっていたことを彼が知ることは無い。


 魔王城最上層に到達。


 魔王との50年ぶりの戦いが始まる。

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