#2
魔族討伐数100万体を突破。
デルタ・ベックス・ジュピタの本気により毎秒魔族討伐数1000体に到達。
かつて大魔王の右腕こと現魔王を瀕死の状態に追い込んだ男。
その実力は半世紀以上経った今でも健在だった。
彼に刃を向けた魔族は生きて帰れない。
まさに人の心を宿した魔王。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「母ちゃん!!またやられたよ!!」
「そうかい、じゃあもっと強くならなきゃねぇ。」
男は弱虫だった。
誰にも勝ったことがない。
ただの弱い子供だった。
「母ちゃん、見て、野菜採れた!!」
男は母の手一つで育てられた。
親思いの優しい子供だった。
「お前んち、貧乏だからな!!あははははは!!」
「「「はははは!!」」」
「貧乏でも、僕は幸せだよ!!」
「あ゛?いい加減やせ我慢辞めろよ!!この、ドブネズミが!!」
「母ちゃん、僕、また…」
「いいんだよ。ゆっくり、ゆっくり強くなればいい。そしていつか、お前をいじめる子供たちに涙を見せてやるんだ。」
親思いの優しく、貧しい子供はすくすく育った。
だが、彼の幸せな生活は終わりを迎える。
60年前、当時8歳のデルタは、
母を失う。
病死だった。
デルタは独りになった。
周りからはさらにいじめられるようになった。
そしてデルタは聞いてしまう。
「デルタの家の水に鳥の糞を入れてやったらさ、母親死んでんの!!」
「うわお前ヤバイってww」
その時、彼の心の何かが壊れる。
母親を殺したのはいじめっ子だった。
悲哀、怒濤、憎悪、そんな感情が彼を支配した。
59年前、事件は起きる。
貴族の家の子供が木の枝で脳天を突き刺され、殺害された。
死んだのはデルタをいじめる子供だった。
彼はたった9歳で処刑宣告され獄中生活を送ることになる。
だが、そんな彼を5代目勇者が救った。
「最愛の母を殺した相手に憎しみを持たない人間など居ない。この子はまだ10にも満たない少年だぞ。私のもとで面倒を見よう。何か問題を起こしたらこの子を処刑し、私も死のう。どうか、この子を解放してはくれないか?」
それからデルタは5代目勇者のもとで修業をすることになった。
彼の才能はそこで開花した。
58年前、当時10歳、修行中にラークスの湖に落下
湖底に突き刺さっていた魔剣エクスカリバーを引き抜き、自力で戻ってくる。
52年前、当時16歳、卵の町に来た際、初めての仲間ができる。
名前はハルト、後の6代目勇者だ。
そして51年前、恩師の5代目勇者、死亡。
その怒りでハルトが聖剣エクスカリバーの封印を解き、大魔王軍幹部を討伐。
史上最強と呼ばれるパーティーが誕生。
50年前、相棒のハルトが大魔王に自爆技をかけ死亡。
同時にパーティーメンバーも大魔王軍四天王と相討ちになり全滅。
ただ、デルタだけは大魔王軍の右腕を瀕死に追いやった所で逃げられ、右足が欠損したものの生き残る。
欠損した右足には二度と治らない呪いをかけられたため、今は普段から再生魔法をかけ続けることで止血し、50年間悪化を抑えている。
そして彼の足を奪って逃げた大魔王の右腕こそが今の魔王なのである。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「貴様、本当に右足に再生魔法をかけ続けているんだよな!!なぜ魔力が底を尽きない!!」
「君たちから魔力を吸い取っているからじゃよ。」
__ザン!!
魔族討伐数1億体を突破。
人類の歴史において現存する世界記録を更新。
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