#3
最近、俺は固有スキルが無くても生きていけたのではないかと思う。
なぜならほとんど魔法を使わないからだ。
だが、盗賊団の騒動があった際にミズナギ・タクミという男がこう言っていたのを思い出す。
「君の固有スキルの特性上、一度見て特徴を抑えればどんなスキルでも習得できる仕組みになっている。」
正直、どうしてほぼ初対面のこいつが俺の固有スキルの概要を知ってんだ?とは思った瞬間だったが…
この言葉が本当ならば俺はもしかしたらチートに目覚めることができるかもしれない。
だから護衛任務の前までに大量のスキルを習得したいと思う。
「っということだ、お前ら!!魔法以外のスキル全部使ってかかってこい!!」
俺は今、ギルドの裏庭に来ている。
「おい、いいのか!?お前みたいな一般人同然のステータスの奴が俺たちの猛攻に耐えられるはずが!!」
「いいから来い!!全員この場で倒してやる!!」
「俺達も舐められたもんだなぁ!!っしゃいくぞおお!!」
うん、怖い。
「「「「「「「「「おおおおおお!!」」」」」」」」」
「…で、こうなったと。」
「まあ、はい。」
「バカなんですか!?何でイケると思ったんですか!!」
「イケるとは端から思ってねーよ。でも見ろ!!スキルがこんなに増えたんだ!!」
「あなたのスキルを即座に習得する体質は才能ですね。」
「まあな!!」
あれから1分もせずに俺は病院送りになった。
今は病室に駆け込んできたリリルと話している。
「そもそも、あなたはどうして強敵と戦うときは大けがを負わないのにどうでもいい時だけ大けがを負うのでしょうかねぇ…」
「強敵では大けがを負わない代わりに死ぬけどな。」
タクミが言っていたことは本当だった。
一度特徴を掴んだスキルは即座に習得できる。
れっきとしたチートなのだが、そのスキルの特徴を掴むための一番の近道が攻撃を受けることってのが欠点だ。
何ならその一撃で死ぬ可能性もあるし。
「まったく、あまり無茶はしないでください。私の寿命が縮むので…」
「無茶をするつもりは無かったけどな。」
まあ、何はともあれ、これだけのスキルの量なら一般冒険者ぐらいの力は発揮できるだろう。
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