#2

翌日


「ベガ、ちょっといいか?」


 俺は早朝からベガの店に来ていた。


 朝一に来た俺を出迎えたのはもちろんベガ…


「これはこれは、最近我をこんな姿にしてくれたケンタロー君じゃないか!!フハハハハハ!!素晴らしい表情ではないか!!その顔だけで食パン500枚はイける!!ヌハハハハハ!!」


 ではなくフラワーロックのような動く花だった。


「コロス」


「あぁぁぁぁ!!お店の中で暴れないでください!!」




 今、俺の目の前にはカオスが広がっている。


 きっと理解できないと思うが、鉢植えの花が店先の商品の手入れをしている。


 正直、俺も何を見せられているのか分からない。


「あれはケンタローさんが先日撃破したガルドさんですね。どうやら魔力が無くなっても生き返るための保険の種を私のお店の前に埋めてたらしく、生えてきたんですよ!!」


 うん、何言ってるか分からない。


「そうか!!では我の生き返りの仕組みから説明しないとならないようだな!!」


 こいつ、心読みやがった。


「いや説明しなk…」


「しなくてもいい…か!!ヌハハハハハ!!まあ良い、次の機会にまた話そう!!ほれ、手を出せ。」


「なん…」


「だこれは?フフフ…それは我の契約用の種、それを持っていればいつでもどこでも我と契約して我の力を借りることができるぞ!!」


「お前、さっきから」


「心の声を…」


「読むなあああ!!」


 この契約の種は一応持っておこう。


 いざというときに役立ちそうだ。


 じゃなくて!!


「ベガ!!すまないが来週の月曜までにまた弾丸作ってくれ、今回は300発頼むよ。」


「はい、承りました!!」


「来週の月曜に取りに来る。」


「待ってますね!!」


 改めて思った。


 この町の唯一の眼の保養はベガであると。

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