#6

“人は見かけによらない”


 その言葉は前世でもよく言われてきたことだ。


 だが流石に…


「あ、村長!いたんですか~!?良かったです!無事で!壁の外のジャイアントアースワームの様子を見に行ったと仰ってたから王都の奴らに襲われるのではないかと…本当にご無事で何よりです!」


 この男はシン。


 氷結魔法を操り、この街で護衛兵の1人として活躍する男。


 先ほどまでの「どんな敵が来ようと町は必ず守る!!」みたいなカッコいい性格とは裏腹に、普段はナヨナヨしい頼りない男だそうだ。


「一度あの王都の兵士団に隕石魔法を撃ちこんでもいいですか?」


「お前は一度隕石魔法を忘れろ!」


 隕石に支配された19歳のロリっ子が先ほどから隕石魔法を使おうとする。


 少しはルルを見習えよ。


「ほらルル、もう兵士団はどっか行っちまったぞ。そろそろ出てこい。そんなにあいつらが怖いのか?」


「いや、違う。まあ、話す時が来たら話そう。」


 なんかこいつ急に意味深なことを言い始めたな…


 その時だった。


「ゴブリンの大群が接近中!!ゴブリンの大群が接近中!!至急、護衛兵及び村の冒険者たちは壁の門の前へ集まってください!」

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