#3
「3人とも、まずは周りを見て自分の魔法を使っていい状況か?自分の魔法がしっかり通用する状況か?しっかり考えるんだ!」
俺は先ほどめちゃくちゃな戦い方をしたリリル、ベル、ルルに説教をした
「わ、私はしっかり状況を解析して!」
「どこがだよ!お前のせいで俺は死をも覚悟したんだぞ!」
「ホントよ!リリル!しっかり…」
「リリルはまだ敵にダメージを与えられたからいいよな!でも、お前はどうだ?敵の体力1ミリも削れてないじゃねーか!それどころか敵を元気にする濃霧魔法使うし!」
「だってだってぇ!うえーん!」
「まぁ、ケンタロー、そんなに怒らなくても…」
「お前もだぞ?ルル。お前の力は圧倒的に近距離戦向きだ!そんなのを遠距離でやって一撃も入れずに魔力不足で倒れるとかもう少し自分の魔法を理解してから攻撃しろ!」
「むむむ…」
「一応このパーティーはバランスがいいんだ!まず俺とボブとルルは近距離向き、ちなみにボブは中距離にも対応できる。ベルは確実に中距離向き、リリルは遠距離向きだ。そしてリリルとベルは敵の近くに仲間がいないことを確認して攻撃しろ!」
「わ、分かったわよ!いいわ!その方法でやってやるわよ!」
「ベル、お前はどうして上から目線なんだ?」
と、しっかり役割分担し終わったところに馬車を引いて近寄ってくる謎の影があった。
「あなた方が昼間、ジャイアントアースワームを討伐してくださったのですか?」
謎の影からは声が聞こえ、その声は俺の前世で“後期高齢者”と言われているぐらいの歳のお爺さんの声だった。
ジャイアントアースワームを倒したのかという質問に俺は間髪入れずに、
「はい!“俺”です!!」
「あの男、昼間の手柄を自分のものに…」
リリル、一度黙ってくれ。
「そうか、そうか、“君たち”があの怪獣を…」
「はい!私“達”が倒しました!」
俺の手柄がァァァ~!!
「ワシはそこのメルテ村の村長じゃ。人間の足だと歩いてあと1日半ほどかかる場所じゃが、君たちの放った音響魔法の爆音と隕石魔法の爆風で何があったのか見に来てみたら、毎年我が村を恐怖のどん底に叩き落すジャイアントアースワームを倒していたとは…お礼と言っては何だが、君たちを我が村まで馬車でどうだ?どうせ君たち丘の上のビクトリーカリバーに挑戦しに来ただろう?」
音響魔法と隕石魔法がうるさくてごめんなさい…
後でしっかり𠮟っておきます…
あと、この人最後にすごいこと言ったな?
乗せていってくれるのか!?
「しかし、リアカーはどうするんだ?」
ボブは聞いた。
「リアカーも馬にひかせましょう。」
なんだこの100点の接客は!?
「そうか!じゃあ、遠慮なく乗らせてもらおう!」
そう言って彼は馬車の乗客席にドサッと座った。
「いや少しは遠慮しろよ!」
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