#5

「グスッ…とりあえず…俺の値はだいたい全部低いですが…パーティー作成と求人は一応かけてみます…。1週間で誰も来なかったら商売でもやって生きます…グスッ…」


「し、承知いたしました…ではパーティーリーダーはケンタロー様で、ケンタローパーティーで募集かけてみます。ポスターの原稿はご自身で書かれますか?」


「はい。」


 ダメだ、異世界に来たらノリで魔王倒してノリで伝説になれると思ったのに…俺には無理か。


 あとは求人で集まってきた人に期待しよう。


 どうやら俺はこの世界では一応頭脳が優れているらしい。前世での最終学歴は偏差値40の工業高校卒業だったけどな…


 っていうかなんかこの世界平和だな…天使さんも魔王なんて一言も言ってないし、もしかして魔王が存在しない世界に来てしまったのか…?


 一応聞いてみよう。


「すいません、この世界って魔王っていますか?」


 そう受付のお姉さんに尋ねたら後ろにいたモヒカン頭のいかにも悪そうな男が答えた。


「あんた、何言ってやがる…いつ魔王軍が攻めてくるか分からないんだぞ?特にこの町は最も多くの英雄を出している町だ。奴らが勇者候補を根っこから絶やすつもりならここを狙うはずだ。」


 ちゃんと魔王軍は存在していた。


 しかも魔王軍にいつ攻め入られてもおかしくない状況だった…


 そうは見えないけどな…

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