#4

「それでは、レベルを測りますね。この手形に合わせて手を置いてください。」


 俺は今、この異世界生活において最も重要な手続きをしている。


「これで冒険者証に各項目に20段階のレベルが...」


 なんだ?急にギルドの受付のお姉さんが固まったぞ。こ、これはもしや!俺がちやほやされる展開か!?


「すごい!どんな修業を積んだら全魔法を習得できるんですか!?」


「何だと!?」


「あの小僧が!?」


「そのダメそうな小僧が!?」


 ほーらきた!俺がちやほやされる展開!!ギルドに設置された酒場から男どもが一斉に俺に目線を向け、啞然としている。


「いやぁ?まぁ、俺ぐらいになると~?」


「あ、でも魔力値が一番低い1(-)だ。このレベルの魔力が全魔法に分散していると考えると……全力を出しても…せいぜい生活面でちょっと役に立つレベルですね…運動神経も一般人にも負ける3(-)、でも戦闘と生活の頭脳レベルだけは天才並みですね。」


「なんだよ、あの小僧、魔力不足じゃねえか~」


「ま、伸びしろあるってことだぜ新人。」


「そ、そそそ、そうですよね?あは、あはははは……」


 もう、そう信じたい!


「それが…期待値、言い換えると伸びしろのレベルなんですが…1(-)です。」


「ってことは、俺は…」


「大変申し上げにくいのですが、これ以上の魔力の成長は望めないかと…」


「そんな…」


 異世界生活2日目、俺に冒険者としての才能がないことが判明する。

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