#3

「うぅ…こんなはずじゃ…」


 俺は一人寂しく草しかない草原で寝ることにした。


 もちろん装備もなく服しか着てない。それもアニメキャラの。


 テントも寝袋もない。


 本当に野宿だ。


「どうしてこうなったんだ?」


 空を見上げると星がピカピカと輝いていた。


 いやぁ、こんなきれいな星は久しぶりに見たよ。


 そういうことを考えるうちにまぶたがだんだん重くなって眠ってしまった。


翌日


「おーい、大丈夫かー?生きてるかー?」


 なんだ?この声。


 聞き覚えのない声だ。


 この声は男か。


「これはまずいな、早く町へ持っていかないと。」


「町!?」


 思わず飛び起きてしまった。


 俺の視界に移ったのは、顔は文科系っぽいが体格がめちゃくちゃムッキムキの男だった。


「あ、生きてた!良かった。じゃあ、俺はこれで。」


「待ってください。」


「ん?」


「町まで、案内してくれませんか?」


「あ、もしかして…」


「旅の者です。」


「だよな!申し訳ない!気づかなくて!」


「あの、それよりも案内…」


「あぁ、おう。」


 男はその顔と体格が一致していない体で俺をおんぶして町まで運んでくれた。


 町に着くと彼は水を飲ませてくれた。


「ありがとうございます。生き返りました。」


「そうか、よかった。」


 アニメではまず転生したらまずギルドに向かっていた。


「すいません、ギルドってどこに?」


「ギルドか。この通りを真っ直ぐ進んだ場所にあるぞ。」


「どうもありがとうございます。じゃあ、俺はここらへんで、ありがとうございました。」


「あ、待て。」


「は、はい?」


「お前、冒険者登録しようとしてるだろ。」


「してます。」


「登録料かかるからこれ持ってけ。」


 男は金が入った袋を渡してきた。


「え、こんなにかかるんですか!?」


「あぁ、まず登録料で500ネイツ、パーティー作成に600ネイツ、求人出すのに300ネイツだ。」


 俺の脳にねじ込まれた知識によるとネイツとはこの世界の通貨で、1ネイツあたり2円程度らしい。


 っていうことは登録料1000円、パーティー作成1200円、求人募集で600円か。


「ありがとうございます。では、行ってきます。」


「おう。行って来い。」


「今度こそ!」

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