さすがに毎日は飽きる
「今日は何して遊びます?」
ひかりが俺の部屋に笑顔で入り込む。
「んー、海かな」
時計を見ると針は7時を指している。うん、いつもの時間だ。
「ですね!」
ひかりが笑顔で頷く。
俺はベッドから立ち上がりひかりと一緒にリビングに向かう。
朝食の時間だ。
「おはようございます、お嬢様、優良様」
リビングでは東雲さんが既に配膳を済ませていた。
俺とひかりは席に着き朝食に手をつける。
「今さらなんだけどさ」
俺は食べる手を止めて隣に座るひかりに顔を向ける。
「はい」
ひかりも口にごはんを運んでくれる東雲さんの手を止めさせて俺の方を向く。
「もうそろそろ、帰ってもいい?」
「どこか、不便な点がありましたか?」
ひかりが不安そうな表情を見せる。
「いやそんなことはない」
この5日間は本当に楽しかった。
でも……っ、5日は長い!それに、遊ぶといっても毎日海!
飽きる!この別荘も探検尽くした!
はっきり言ってやることがもうない。
それに、宿題もやらないとだしー。スマホもほしいしー。
そういえば、祭りも近いな。1週間後か。
たぶん、破ったら愛莉に怒られる。
「なんていうか、そろそろ家族に会いたいなーなんて」
さすがに飽きたは失礼だろう。言えない言えない。
「ダメです」
え、まじか。まさか、断られるとは思わなかったわ。
それに、こうもきっぱりと。
「じゃ、じゃあ一回だけでも帰らせて。そのあとまたここで遊ぼう!」
「ダメです」
え、まじか。それすらも断わられるか。
え、帰れないじゃん。
「……まだ待ってください」
「え、」
どこか焦っているような表情。
どうしてかは分からない。
でも、笑顔じゃないひかりなんて初めて見た。
「わかった。それより、遊ぼ」
もう少しぐらい、ここで遊ぼう。
◇◆◇◆◇◆
「どこにいるの?!」
ゆうくんがひかりに連れ去られたと知って3日が経った。
だけど、未だにゆうくんの足取りが掴めない。
ひかりの家なら行ったけど、インターホン押しても誰も出てこなかった。
たぶん、家じゃない。
ならどこ?それに関しては本当にわからないし見当もつかない。
しらみ潰しに行っても限度がある。日本とも限らないし。
夏休み中に見つけるのは不可能。
「あの女……っ」
私のゆうくんを盗りやがって!
早く返してっ!
私の中で渦巻く怒りで暴れそうになる。
どうしたら……
もう二度と会えないのでは。
もしも、会えたとしてもゆうくんはひかりのモノになってるんじゃ……
心の奥底から不安が漏れだしてくる。
怒りと不安が同居し、私はどうしたらいいのかわからなくなった。
~~♪
スマホから着信音が流れる。
誰だろう。
「え……?!」
私は名前を確認するなり急いで電話に出た。
―――――――――――――――――――――
ひかりさんが自分でご飯を食べなさっていたので、修正しました。
内容は変えてないです。
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