お嬢様ってまさかそういう……?

「優良さん、海行きましょう!」


「……ん、もうそんな時間なのか、?」


 ひかりの元気な声で目が覚める。

 俺は起き上がり、壁に掛かっている時計に目を向けた。


 あれ?おかしいな。まだ7時。


「えっと、なんか言ったか?」


「海に行きましょう!」


 え、まだ7時だよ?お嬢様は7時に海行くのか?

 朝ごはんも食べてないよ?

 ひかりを見れば目を輝かせている。まるで犬のようだ。

 ま、郷に入っては郷に従えか。


「よし、すぐに準備する!行くか!!」


「お食事の用意ができましたので、食べてからにしてはどうでしょうか?」


 いつの間にか部屋に入っていた東雲さんが尋ねる。

 俺とひかりはお互いに顔を見合せ、ひとつ頷く。


「「いただきます」」


 さすがに海は早かった。



◇◆◇◆◇◆



「優良さん!海行きましょう!」


「そうだな!」


 朝食を終え、ビキニに着替えたひかりが俺の手を取り砂浜へ走り出す。

 俺も海パン履いているんだが、それもタンスにあった。当然未使用。


「ん?なんだあのテントみたいなの」


 砂浜にひとつのパラソルが刺さって、その影にふたりぐらいが寝れる程のサイズのシートが敷いてあった。


「あそこで日焼け止めを塗ってください!」


 そっか、女の子だもんな。日焼けはしたくないか。

 ほら、東雲さんの出番ですよ。


「あれ?東雲さんは?」


 近くに東雲さんがいなかったので、別荘の方を振り返る。

 扉に「お嬢様をよろしくお願いします」と一礼する東雲さんがいた。

 なるほどね。


 俺が塗れってこと?!


 それに答えるかのようにシートにうつ伏せになるひかり。


「優良さん、お願いします」


 ひかりが俺に日焼け止めクリームを渡す。

 え、がちか。


「いや、ダメだろ」


「何がですか?」


「ちょ、ちょっと脱ぐなって!」


 ひかりがビキニの紐をほどいた。そして、当然露になる白い傷ひとつない背中。

 このお嬢様、露出性癖持ってるのか?


「もしかして、私の肌はさわれませんか?」


 しゅん、となるひかり。

 何故だか、罪悪感が……。


「い、いやそういうわけでは……」


「では、お願いいたします」


 ちくしょう、逃げれないか。


「行くぞ……っ!」


 俺は覚悟を決める。

 日焼け止めクリームをひかりの背中に垂らす。


「……んっ」


 ひかりの肩がぴくりと動く。


「つ、冷たかったか?」


「い、いえ、続けてください」


「お、おう」


 ゆっくりと背中に手のひらをのせる。


「ひゃっ!」


 やめて、そんな声出さないで。

 俺は悶々としながら背中のクリームの伸ばしていく。

 ひかりの背中は雪のような白さに反して熱を帯びていた。

 手のひらが溶けそうだ。


「ぬ、塗り終えたよ」


「はぁはぁ……ありがとうございます」


 耳を赤らめながら顔を伏せ隠すひかり。

 恥ずかしかったんじゃ?なんで、させたんだよ。


「で、では次は前を……」


「は?え?!それぐらい自分でできるだろ!」


 もぞもぞと動き出したひかりに恐怖を覚え、俺は海へ駆け出した。


「……はぁ。さすがに恥ずかしかったです」


 海は楽しかったです。






―――――――――――――――――――――


 昨日は投稿できなくてすみません!

 いや、毎日投稿するとは言ってないですけども……。

 でも自分の中では毎日投稿しようって決めていたので、すみません!

 今日からまた頑張っていきます!

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