お誘いきた

「優良、あなた宛に手紙が来てたわよ」


 夏休み初日。朝ごはんを食べているとお母さんが一つの手紙を手渡してきた。


「ありがとう」


 俺は受け取り部屋に戻った。

 愛莉か?いやでも、いちいち手紙でやり取りする程お互いの家は離れてないし、そもそもスマホあるし。

 告白はもうされたから……


「本当に誰だ?」


 まあ、読んでみればわかるか。

 俺は封を開け、中の手書きの手紙を読む。


「ひかり、から?」


 そういえば、連絡先知らないな。SNSも繋がってないし。

 かと言って住所も教えた覚えはないんだけど……愛莉に聞いたんだろう。

 この前仲良さそうにしてたし。


『優良さんへ。

 明日、私のお家でお昼ごはんを一緒に食べませんか?』


 下の方にはひかりの住所らしきものが記載されていた。

 個人情報なんだが、大丈夫なのか?


 それはいいとして、昼ごはんの誘いはとても魅力的だと思っている。

 最近は学食に行けなくて、ひかりに会えなかったしな。

 それに、お嬢様が普段どんなものを食べているのかも気になる。


 ということで、俺の答えはすぐに出た。


「行くか」



◆◇◆◇◆◇



「おぉー、大きい」


 目の前に広がる家と言えるのか分からないほど大きい家。

 俺はびっくりし過ぎて一周回って冷静になっていた。

 インターホンを押す。

 すると、すぐに扉……いや門?が開き東雲さんが出てきた。


「優良様、どうぞ」


 メイド服だ。

 同級生がメイド服ってすごいな。まあ、そんなに話したことはないが。

 東雲さんのあとを着いていくとひとつの大きい部屋に着いた。

 そこには長くて大きなテーブルがあって、豪華な料理が配膳されていた。


「優良さん、来ていただきありがとうございます」


 席を立ち小さく頭を下げるひかり。


「俺の方こそ誘ってくれてありがとう」


「いえいえ。では、いただきませんか?」


「そうだな」



◇◆◇◆◇◆



「ごちそうさまでした」


 美味しかった。

 今まで食べたことがないような食材や料理があって楽しかった。


「ありがとうな、ひかり。料理も美味しかったし、久しぶりに話せて楽しかったよ。また、どっかで遊ぼうな」


「優良さん?どうして、今から帰るような雰囲気を出しているのですか?」


「え?あ、そっか、じゃあ遊ぶか」


 ご飯食べてすぐに帰るって、どこが面白いんだって感じだな。

 にしても、ひかりと遊ぶとしたらだなぁ。映画か?いや、この家にシアターとかありそうだな。

 ゲーセン?お嬢様を連れてっていいものか?


「そうですね。ですが、少し場所を変えましょう」


「場所を?」


 ひかりが席から立ち上がる。


「……あ、あれ?なん、か……」


 急に視界がぼやける。

 なんだか、突然眠くなったんだ。


「……ぶ、つ……」


 ひかりが誰かに指示を出している。


 でも、どうしてだ?


 どうして、ひかりはそんなに笑ってるんだ?


 そこで、俺の意識は落ちた。








―――――――――――――――――――――



小川優良   高2

白石愛莉   高2

早川沙織   高2

西園寺ひかり 高2

東雲忍    高2



主要な登場人物は全員高2です!

たぶん、作中で書かれてなかったと思うので載せときます。

僕の技術不足ですね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る