ー赤17-
赤い目から逸らせないまま、
外せないまま。
息が苦しい。
まばたき。
必死に息を
吸う。
まばたき。
赤い目の向こう
写真が突然 視界に迫る。
昼間
担当教諭と歩く中で
たまたま見つけた風景。
小さな池。
鳥居。
歴史に詳しい教諭がいたら
由来を聞こうと
写真に収めておいたものだ。
赤い目とも視線を合わせたまま
写真も やたら よく見える。
赤い目を見続けるのに耐えられず
写真の方に意識を向けた。
ギ。
ギギ・・・ギ・・・。
ギ。
歩いている時には
気が付かなかった。
鳥居の奥に
小さな御堂が
写真に写っていた。
ギ・・・ギギ。
ギギ、ギ・・・。
御堂の扉が
少しづつ開いていく。
ギギギギ・・・。
ギ。
開くたびに
ギ。
音が聞こえる。
錆びた鉄のような音。
赤い目の向こう。
水の中。
印画紙の中に浮かび上がる
鳥居と、
その奥の御堂の
扉の開く
音。
ギ。
ギギ・・・・ ・・・
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