女体化したら最強（凶）！？ サイドストーリー

村田 聖子の決断（完）

「いや、なんというか。

　能力（アビリティ）だけでなく、人としても大きく負けた気がして。

　自分の小ささに情けなくなっただけだよ」

　と言うと、岸さんが

「そんな事無いっす。

　あの時、村田さんが派閥の人達に啖呵（たんか）を切ってくれたおかげで目が覚めたっす。

　だから、今度は村田さんと一緒に行動したら、うちも変われると思ったっすから派閥を抜けたっす」

　と力強く言い。

　三村さんが

「その通りね。

　あなたのお陰で、私達はギリギリで踏み止まれたと思います。

　だから、そんなに卑下する必要は無いと思います」

　と穏やかに言った。

　和田さんも

「本当にそうね。

　あなたのお陰で派閥と決別する事を決めた人は多いと思う。

　その切っ掛けを与えた事は間違いないわよ」

　と言われ、私はちょっと照れくさくて

「え、あ、うん」

　と曖昧な返事を返した。

「まあ、この話はココまでにしましょう」

　と和田さんが話を切った。

　あとは、言葉少なく夕食を食べ終わり部屋に戻る。

　部屋に戻っても何もやる気がでずベッドの上に転がっていた。

　しばらくすると眠気が襲って来たので、寝る準備をしてから中強度の魔力纏身（まりょくてんしん）を10分行ってから眠りについた。

　翌朝、普段通りに起きると和田さんも起きて来た。

　今までの様な引きずった疲れを感じない。

　まず、朝の準備を済ませてから一緒に魔力纏身（まりょくてんしん）を行う。

　食堂に向かう為に部屋を出ると、丁度岸さんと三村さんも食堂に向かう所だったので一緒に向かう。

　食堂で和田さんから

「今日は私も一緒に走る」

　と言われ驚いた。

　岸さんが

「なんでですっか？」

　と聞くと

「なんとなく走りたくなった」

　と返されると

「そうすっか。分かったっす」

　と返していた。

　和田さんが、ちょっと微妙な顔をしていたので三村さんが

「本当の所は？」

　と言うと、ちょっと罰が悪そうに

「ほら、昨日教えて貰った事を実践してみたいだけよ」

　と返ってきた。

　この日、和田さんも含め4人で走った結果、驚きの26セットも走る事が出来た。

　先週が18セットだったはずだから、大幅に周回が増えただけでなく身体に疲労があまり溜まっていない。

　流石に最後の方は結構きつかったけどね。

　でも、翌日には疲れは残っていなかった。

　日曜日も同様に走り、この日も26セットを走り切った。

　懲罰のランニング5,000周、1000セットの内

　岸さんと三村さんは、113セットの完走。

　私は、95セットの完走だ。

　良いペースで熟せている。

　翌月曜日の朝、岸さんが生理が来たので一時離脱。

　翌火曜日の朝、三村さんにも生理が来たので一時離脱。

　岸さんと三村さんは、共に4日で終わった。

　岸さんは

「いつも通りだったっす」

　と言う事らしいが、三村さんは

「普段なら5～6日掛かるのに、今回は早かった」

　と言っていた。

　ひょっとして、中強度の魔力纏身（まりょくてんしん）って疲労以外にも有効なんじゃあないかな。

　神城さんの指導のお陰で、今週から周回数を増やせた。

　朝・訓練時間・放課後の各2セットが各3セットになった。

　特に訓練時間に3セット走ると、飯田と宮園達も意地になって張り合ってくるが、1日1回は無効周回が発生した。

　まあ、勝手に自爆している内は放置しても良いかな。

　そういえば宮園達、幹部の指示を実行して2,000周追加されていたから余計にムキになっているのかも知れない。

　夏期集中訓練前の土曜日。

　ほとんどの人は、明日からの訓練に必要な物の買い出しの為に街に出ている。

　私達も今日走るのを止めようかと思っていたのだが、折角だから走った。

　夏期集中訓練に必要な物は、平日の昼休みに購買で購入してあるので問題ない。

　こうして夏期集中訓練前に終えた周回周は

　私が162セットの810周。

　岸さんと三村さんは、144セットの720周だ。

　どうでも良いが飯田と宮園は、恐らく25セットの75周位だろう。

　取巻き達はもっと少ないと思われる。

　訓練時間外にランニングコースに来ないのだから知らないんだろう。

　まあ、来ない方がこちらとしても記が楽で良い。

　さあ、夏期集中訓練をがんばろう。