本作は『のっとり』という怪奇現象が日常に溶けこんでいる世界で起こる、いわば生霊による人格のっとりのお話です。
児童文学の雰囲気ながら、人間の負の面の描き方が、いい意味で生々しく辛辣で、恐怖すらおぼえました。
そんな世界に導く、謎の退魔師?の『白い右手』こと『シー』という女の子。この女の子の造形もとても不思議で魅力的です!
子どもでも楽しめそうなシンプルな日本語で、ここまで人間を描き、かつストーリーを読ませるのは、すごいことだと思いました。
また、本作のアイデアや、シーのキャラクター造形は、一種、不条理系ホラーとも呼べるインパクトがあります。
おすすめの作品です!