第4話オワコンタッグ「俺たち」

晴れて俺は唐揚げ先生と協力して作品を作ることになった。

今、2人でどんな作品を作るのか話し合い中。

「ファンタジーかな。唐揚げ先生得意でしょ?」

「得意なのは絵だけだよ。別にファンタジーでなくても絵は活かせるし…私がファンタジー作れそうで作ってた。それだけ」

「なるほど…物語を作るのが苦手だったの忘れてました。」

「五十嵐先生の人間の心理を突いたお話しを漫画にするだけで、行けそうな気もしなくも無いですけど。」

「人間の心理…ねぇ」

「自覚ないかもしれないけど、割と心が揺さぶられるよ。」

ファンタジー…人間の心を揺さぶる…漫画…絵が活かせる…

「…モンスターを…」

「モンスター?ファンタジーにするの?」

「その方が慣れてるでしょ。迫力のある絵も描きやすいし。」

「なるほど!そこまで考えて無かったな。で、モンスターを?」

「…口で改心…させる…?」

「人間の心…じゃない。モンスターの心をかえるわけね、良さそう。」

「主人公は勇者。なのに…武器はその世界にはない…つまり攻撃がまともに出来ない…」

「はぁ…なるほど」

「モンスターが暴れてる…勇者は心優しい。」

「うん」

「モンスターの心を察したり、支えたりしてモンスターを落ち着かせる…みたいな…どう?」

「…す、すごいね」

「とりあえずだけどだいたいの話の内容はできそうだね。」

「天才かな?」

「いやいや…」

「物語とかセリフとか、僕が考えるんで、絵は任せました。」

「任されました!いい絵描かせていただきます!」

「少し絵に情報を持たせる感じでお願いします。文章で表現するのは苦手なんで。」

「情報が目で伝わるのが漫画のいいところだよ!得意分野だよ。まかせて」


頼りになるなぁ





こんな感じかな…

やっぱ絵を描くのは楽しいなぁ

…五十嵐先生に救われたな。

悩みが一気になくなった気がする、物語が出来た状態で絵を描くのは割とらくらくだし楽しい。

五十嵐先生はしんどくないのかな…物語を考えるのって楽しいのかな。

やっぱ他人を理解するのは難しいな。




こんな感じか…

物語のアイデアがどんどん頭から広がっていく。楽しい。

今までこの頭のことが表現できなかった。

けど今は唐揚げ先生の絵で表現できる。

素敵なことだ。

表現出来るって。

僕ら出会ってよかった。

でも相手もそう思っているかは分からないな。

人間の心を完全に理解するのは難しいな。

でも自分で作ったキャラの考えてること、思っていることは分かるからな。

人間の心を僕の自由に表現しよう。




「五十嵐先生。楽しいですか?」

「うん、最高に楽しいね」

原稿が出来上がった。

漫画を今から審査にだす。どこの漫画雑誌に採用されるか…またはされないか…

楽しみだ。

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