第14話 授かったスキルは凡庸で⑭
カイは驚きの余り声を出した
(スキルレベルがあるのは知ってたけどこんなに簡単に上がるものじゃなかったはず)
スキルレベル・・・スキルを使うことで上がるレベルのこと、スキルレベルが上がることでスキルの能力やスキルポイントが高まるだけでなく、基礎能力も上がる。
基礎能力とは、大雑把にいうと体力、筋力、瞬発力、精神力である。
基礎能力自体は持って生まれたベースとなる数値があり、人によって出発点が異なる。
なお、スキルレベルを上げなくてもそれぞれトレーニングをすることで向上する。
体力とは体を動かしていられる能力のこと、
筋力とは文字通り筋肉の発揮できる能力のこと、
瞬発力とは素早く動くことができる能力のこと、
精神力とは心の強さや意思の強さのこと、
である
カイは軽く動いてみると明らかに先ほどまでの自分とは異なり、基礎能力が上がっていることが実感できた。
「見つけた。マリーと共について行ける方法」
自然とガッツポーズをするカイ。
(ランク6とランク5のスキルを二つもっているマリーは恐らく基礎能力もとんでもないものだろうけど、ぼくのスキルなら何とかなるかもしれない)
通常よりスキルレベルが上がりやすいスキル。この点だけ見ても光明が差すのを感じた。
ドンドンドン!!
カイが喜んでいると急に扉を叩く音が響いた。とても慌てた様子が伝わってくる。
「カイ!私だ!開けてくれ!!」
「町長!!いま、開けます」
声の主が分かるとすぐに扉を開ける。今まで気が付かなかったが外はすっかり暗くなっていた。そこには、40歳位の中年男性、マリーの父親であるアウル町の町長が呼吸を乱して立っていた。
「どうされたんですか?」
嫌な予感を感じつつ、カイが尋ねる
「はぁ、はぁ、マリーが来てないか?」
「来てませんが、どういうことですか!?」
「今朝、神授の儀に出て行ってから帰ってないんだ」
アウル町長は、絞り出すように答えた
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