第11話 授かったスキルは凡庸で⑪
(見つからない。。。どこにも僕のスキルが書いてない)
何とかランク1の項目を全て確認したカイ。気づけばお昼過ぎになっていた
(見逃したのかな)
自身の考えに首を振って否定する
(ひとつずつ確認したんだ。見逃しているわけはないよね)
カイは、スキル大全集を丁寧に閉じる
(そうだ。マリーのスキルも確認しておこう)
再度本を開き、ランク6のところを確認する
(あった。)
カイは文章を読む。ランク6『癒やしの手』・・・回復系スキルの最上位。熟達することで病、ケガ、さらに呪いまでも治癒することが可能。人族での発現はいまだかつてない
(なるほど)
この一つだけのスキルをみてもマリーが物凄いことがわかる。
ふぅ
カイは呼吸を整えてもう一つのスキルを探し、読み始める。
ランク5『大剣術』・・・剣と呼ぶことのできるものなら全てのものを自在に扱うことが可能。人族で発現したスキルの中で最上位の剣術スキル。
(よし。ひとまず、図書館で分かることはこれくらいかな)
もう一度本を閉め、カイはカウンターに向かう
「スキル大全集ありがとうございました。机に置いておいたままなので後のことよろしくお願いします」
カウンターにいた先ほどの女性職員にお礼を言う
「はい。かしこまりました。ずいぶん熱心にご覧になってましたね。知りたいことは分かりましたか?」
「はい。おおよそ分かりました。ありがとうございました」
答えてから図書館の方に向かうカイ
「あ。ごめんなさい一つ聞いてもいいですか?」
カイは何かを思い出したのか、カウンターに戻る
「はい。もちろん。どうされましたか?」
女性職員は嫌な顔一つせず笑顔で応じる
「ランク1のスキルであの本に載っていないスキルってありますか?」
女性職員は少し考えてから
「いえ、ランク1のスキルは何十年も更新されていないので新しいスキルはないかと思います。ランク5以上のものは人族以外の情報が入りづらかったり、発現しても申告しないケースがあるのであの本に記載されていないスキルは少なからずあるとは思いますが」
「そうなんですね。ありがとうございました」
「とんでもないです。また何かありましたらいらしてください」
カイは聞きたいことが聞けたので今度こそ図書館の外に向かった。
外に出ると相変わらず教会の方が盛り上がっていることがここまで伝わってくるが、それどころではないカイは昼食も摂らずに再び帰路につくのだった
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