第10話 授かったスキルは凡庸で➉

(うん。微妙なスキルだなぁ、、、)


体型を変えずに体重を自由自在に操作する


(近所のおばちゃんたちは羨ましがるだろうけど)


カイは、スキルのことを考えれば考えるほど頭が痛くなってきた


(ひとまず、家に帰ろう)


家に向かって歩いている中、ぼんやり町を見ているとある建物が見えてきた。図書館である


(・・・。一応スキルのことが分かるかもしれないし調べてみよう)


カイは目的地を変更し、図書館に向かう。何の変哲もない白い建物で中に入るとしんとしていた。

今はほとんどの人が教会に集まっているからだろう。

カウンターに座る職員の方に声をかける


「すみません。スキルのことが書かれている本ってありますか?」


「はい。こちらにいらしてください」


女性の職員は慣れたように図書館の奥に案内すると、


「スキルのどんなことをお知りになりたいですか?」


カイは少し考えてから、


「スキルの内容が書かれた辞書のようなものはありますか?」


「はい。ごさいます。少々お待ち下さい」


職員は、分厚い本を持ってきて近くの机に丁寧に置く


「こちらがスキル大全集となります。とても貴重な本なので終わりましたらそのままこちらの机に置いておいて頂き、カウンターの職員にお声掛けください」


「ありがとうございます」


カイが、お礼を言うと職員は会釈してから、カウンターに戻っていった


カイは本のある机に近寄り椅子に座ると、本を開いて読み始める。

読み書きがそこまで慣れていないがずっと見ているとなんとなく傾向が分かってきた


(どうやら、ランカごとに纏まっているみたい)


スキル大全集はランク7からランク1に向かってそれぞれで纏まっているようだ。


(まずは、自分のスキルから探そう)


スキル大全集の半分くらいを締めているランク1のところを一つずつ確認していく。

ランク毎に纏まってはいるが、新たに発覚したスキルを都度更新しているからか順番が不規則なため全部に目を通すしかない


(今日中に確認出来るかな。。。)


カイはマリーとの約束を何とかするために最善を尽くそうと黙々と確認していくのであった。

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