第4話 授かったスキルは凡庸で④
「こうしよう。もしマリーが高いランクのスキルを授かってぼくがそうでなくても君についていくよ」
「え!?・・・ほんと?」
マリーはカイの言葉に驚き、確認をする
「うん。ほんと」
「・・・うれしい。ありがとう」
マリーは途端に笑顔になった
「あれ、カイが高ランクになった場合はどうするの?」
「そんなことはないと思うよ」
「そんなこと分からないじゃない。ならその時はあたしがついていくね!」
「ははは、ありがとう」
カイも笑顔になる
「そろそろ寝ないとだよ。明日は早いからね」
「うん。ありがとう。安心したら眠くなってきちゃった」
マリーが眠そうに目をこすりながら言う
「送って行こうか?」
「ううん。大丈夫!また明日ね!」
カイはマリーを扉まで見送り、閉めようとしたときに声がかけられた
「カイ!ほんとにありがとね!・・・だいすきだよ」
扉から覗くとマリーの顔が赤くなっているのが夜目でも見えた
「ごめん。最後の言葉が小さくて聞こえなかったんだけど」
そういうとマリーは途端に慌てだし
「ううん。なんでもない!またあしたね!!」
返事も聞かずに駆け出して行ったのだった
「?最後のはなんだったんだろう??」
どこか釈然としないものを感じつつ、カイは家の中に戻り、床につくのだった。
「あ~、良く寝た」
カイは、朝を告げる鳥の鳴き声で気持ちよく起きた
外は雲一つない快晴だ
「さっそく、教会にいきますか」
簡単に朝食をとり、身支度をしてカイは外に出る
教会への道を歩いていると後ろから声をかけられた
「おっす!カイ!!」
「おはようザイル」
今日も元気なザイルである
「はやく行こうぜ!」
あいさつは済んだとばかりにザイルは駆け出した
「先にどうぞ!」
気持ちのいい天気と澄んだ空気を堪能したいカイはザイルに声をかける
「わかったぁ!また後でな~」
みるみる内にザイルの姿は消えていった
「ザイルは朝から元気だなぁ~」
町の中央にある教会は、端に住んでいるカイの家からはまだまだかかる
何故かはわからないがこの景色も見納めな気がして急ぐ気になれないカイであった。
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