第7話 依頼完了
「ただいま帰ったのである」
「お待ちしておりました、アビス様。
「うむ、大量に豚がおった故な」
「オークの調査依頼ですね」
「うむ、沢山狩って来たのである」
調査依頼? はて、
「で、どうでした?」
「全て狩ったのである」
「では、討伐部位の提出をお願いします」
「ほれ」
と言いつつ、取り敢えず千切ってきた豚の首を次々と出す。
「えっ、ちょっと待って下さい。 一体いくつあるんですが」
「沢山である」
「それじゃぁ判らないんです。 何個あるんですか?」
「数え切れない程に沢山である」
「もしかして、体の部分もあったりします?」
「当然である」
「なら買い取りカウンターにの方に行ってください!」
ぬぅ、面倒な受付嬢であるな。 仕方がないので、買い取りカウンターに向かう。
「豚を沢山持って来たのである!」
「あっ、アビスさん。 沢山ってどのくらいっすか?」
「数え切れない程に沢山であるっ!」
「えっ、何怒ってんっすか? あっ、睨まないで欲しいっす。 倉庫まで案内するっす」
「ぬぅ。 またタライ回しであるか?」
「いや違うっす。 アビスさんはお得意様っすからね。 特別対応っす!」
「ならば仕方が無いのであるな」
「ささっ、気が変わらない内にコチラへどうぞっす」
「何か
「そんな事ないっす! 特別対応っす!」
「そうであるか。 では案内するのである」
「ハイ、喜んでっす」
何やら特別対応らしいので案内に従う。 すると、作業台がある広い倉庫に案内されたのである。
「で、何故茶の一杯も出ないのであるか?」
「へっ?」
「特別対応なのであろう?」
「あっ、ウッカリしていたっす! 今すぐ用意するっす! アビスさんは豚をそこら辺に出しておいて欲しいっす!」
「判ったのである」
茶を待つ間に、アイテムボックスから、頭と体をセットで出す。 数が多いので適当だな。
ポイッ、ポイッ、ポイッ、ポイッ、ポイッ、ポイッ、ポイッ、ポイッ、ポイッ、ポイッ、ポイッ、ポイッ……。
「お茶をお持ちしましたって、オークじゃないっすか。 一体幾つあるんすか?」
「沢山である」
ポイッ、ポイッ、ポイッ、ポイッ、ポイッ、ポイッ、ポイッ、ポイッ、ポイッ、ポイッ、ポイッ、ポイッ……。
「あのぉ、もう置く場所が無くなってきているんっすが、まだあるんすか?」
「まだまだあるのである」
「って、コレってオークジェネラルじゃないっすか。 それにこの数、スタンピードっすか? ちょっと待って欲しいっす。 ギルドマスターを呼んでくるっす!」
「ぬぅ、まだまだあるのだがな」
仕方が無いので、茶を飲みながら待つ事
「おぅ、お前か? オークのスタンピードを狩って来たとか言う常識知らずは」
「豚の群れを屠殺しただけである」
「いや、オークじゃねぇか。 それにコイツはオークジェネラルか? この数にジェネラル付きなら、小規模なスタンピードで間違いなさそうだな」
「これは一部なのである。 出すのを止められたのである」
「で、どの位あるんだ?」
「沢山である!」
「いや、それじゃあ判んねぇだろ! せめてここにある分の数倍とかないのかよっ!」
「10倍以上はあるのである!」
「おぃおぃ、それじゃあ中規模どころか、大規模じゃねぇか。 なぁ、もしかしてオークキングとかいたか?」
「我に豚の区別はつかないのである!」
「
豚の愛好家であろうか? そう言えば、豚にも種類があるのだったな。
「ならば全て出せる場所に案内するのである!」
「だから何でそんなに偉そうなんだよっ!」
そこで緊急性があるかも知れないらしいので、街の広場まで移動させられた。 解せぬ。 豚が群れていたからと言って何が問題なのだ?
だがまぁ、出さない事には話が進まないので、首が千切れた豚と、氷漬けの豚を次々と出していく。
ポイッ、ポイッ、ポイッ、ポイッ、ポイッ、ポイッ、ポイッ、ポイッ、ポイッ、ポイッ、ポイッ、ポイッ……。
「なぁ、まだあるのか? いい加減、広場が埋まりそうなんだが?」
「多分、もう少しである!」
「多分って…」
ポイッ、ポイッ、ポイッ、ポイッ、ポイッ、ポイッ、ポイッ、ポイッ、ポイッ、ポイッ、ポイッ、ポイッ……。
「おっ、こいつはオークメイジじゃねぇか。 それにコッチはオークナイトか? げっ、オークジェネラルやキングまであるのかよっ!」
「味が違うのであるか?」
「そう言う問題じゃあねぇんだよっ!」
「てか、これを1人で退治したってのか?」
「うむ、今なら豚の屠殺職人になれそうである」
「いや、もういいや。 この調子なら、スタンピードは解決済みだろうからな。 後から確認用にもう一度調査隊を送っておくか」
「何? もう一度、我に向かえと言うのであるか?」
「てめぇじゃねぇよっ!」
ぬぅ、余程豚が好きなのであるな。 もう狩り尽くしたからコイツの分は残っていないのであるがな。
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