あれ、ひょっとしてこの流れって…
「父さん達だ……」
水平線の先から現れたのは、大量のフェンリルの群れだ。ざっと、50体ってところか……
「は、今になって震えてきやがった……」
今だからこそなのか。自分の手が震えていたことに気づいた。俺は、怖いのか? あぁ、怖いよ。俺がここでミスれば、シーラが死ぬ。自分が死ぬよりもシーラが死ぬことの方が怖いなんてな。
「父上の気持ちがわかった気がする。」
父上のあの時の言葉が頭に浮かぶ。
『キース。お前は私に似ている。自分の命よりも大事なものがいた時、自分の命をかけるだろう。』
『父上も、自分の命をかけたことがあるのですか?』
『王太子の時に、な。後悔はしていないが、反省はしている。あの時は父上にしこたま怒られてしまった。キース。異なる世界で生きていた記憶があるお前なら大丈夫だとは思うが、一応言っておく。強くなれ。何も失うことがないように。貪欲に強さを求めろ。今でも十分強いが、もっと強くなるに越したことはない。何事も、準備しすぎておいて損なことはない。よいな。』
「やっぱり、父上の言っていた通りだな。貪欲に強さを求めるのは悪いことじゃない。本人の使い方次第だ。貪欲に生きろ。強さを求めろ。か。」
いくら竜王族のスリアル、ユグドラ、サンドリアと契約を交わした俺でも、このフェンリルの群れは、俺1人の力では不足している。でも、やるしかないんだ。
「ふっ、帰ったらシーラと父上からのお説教かな。でも、その後はレベル上げしないとね。」
フェンリルの群れはもう目の前だ。俺は、一度深呼吸をした。そして、魔力を瞬時に練り上げて、初級氷魔法の一つ、フローズンウォールという氷の壁をイメージした。本来、フローズンウォールは自分の前に縦横2メートル、厚さ数センチぐらいの正方形を形成して敵の攻撃を防いだり勢いを殺すための壁という使い方が一般的だ。
だけど、それは魔法師の力量自体で、大きさは変わる。
俺は、中級魔法を使用する時と同量ぐらいをフローズンウォールに注ぎ込み、高さ20メートル、幅100メートル、厚さ5メートルの壁を作り出してフェンリルたちの侵攻を阻害した。
「うっわ、何これ……出鱈目じゃん……」
リーベルティのドン引いた声は無視した。
突然目の前に現れた正体不明の氷の壁に、フェンリルたちが一斉に立ち止まった。そして、すぐに俺を見つけると、唸り声と殺気を撒き散らし始めた。
「早速見つかったか。」
「魔力をもってれば、僕たちから隠れることはできないよ。」
「だよね。」
でも、立ち止まったと言うことは、ある程度の理性は残ってるのか? その時、先頭にいた一頭のフェンリルが叫んだ。
「人間! 我らの邪魔をするな!」
「そうはいかない! 君たちを通してしまうと、街に被害が及ぶ!」
「我らの子を攫っておいて、よくもまぁ、そんなふざけたことが言えるな!!」
鋭い牙を見せつけるように唸る。大切な家族を攫われた気持ちはわかるんだけど、攫ったやつと俺は敵なんだよなぁ……理不尽すぎて嫌になるけど、そんなのはおくびにも出さない。
「その我が子ってのを、返しにきたんだ。」
「叔父さん! 僕だよ! リーベルティだ!」
「リーベルティ?! よくぞ無事で……貴様っ、我が子を解放しろ!! この卑怯者!!」
えぇぇぇ……??? やっぱりそうなるの? 俺が人質にとったと思われた……もうやだ……だから嫌なんだ…………
「君たちの子供は解放する。そのために来たんだ。だから、街にこないでほしい! ちゃんとこの子を攫ったやつをここに連れてくるから!」
「ふざけるなよ! そんな戯言信じるわけないだろうが!」
「俺は、この子を攫った奴とは敵対してる!」
「人間など我らを素材としてしか見ていない! 全て等しく我らを襲う獣だ! 我らを襲ったこと後悔させてくれる!」
だめだ。完全に頭に血が昇っていて、話を聞いてくれない。交渉も無理。戦うしかないのか……?
「はぁ……本当に話す余地はないのか?」
「あるわけがっ、!」
「なら、しょうがないな。」
俺は、殺気と、莫大な魔力を体に纏い、フェンリルたちを威圧する。できるだけ刺激しないようにと、何もしていなかった俺の雰囲気が急に変わったことで、俺の肩にいたリーベルティとフェンリル達が一瞬怯えた。リーベルティには悪いけど、俺は、俺には守るべき大切な人がいる。
「俺は、俺のため、愛する者たちを守るために、この地に立ち入らせないために、テメェらを皆殺しにする必要がある……」
神獣殺しなんてしたくない。ましてや、家族を想って遥か遠くまで助けに来たこの人たちを、殺したくない。
お願いだから、ここで引いてくれ。
「お願い叔父さん!! このお兄ちゃんの話を聞いて!!!」
その時、リーベルティが俺の肩から降りて、不慣れながらも海の上に立ち叫んだ。
「このお兄ちゃんは、僕を助けてくれたんだ!! 怖がって僕が指を噛んで傷つけても、怖かったねって言ってくれたんだ! 優しい人間なんだ! このお兄ちゃんたちは、僕やおじさん達を、ちゃんと個体として見てくれてる! 素材として見てる最低最悪の獣なんかじゃない!!」
少し降りただけなのに、相当魔力と集中力を消耗しているのか、息切れをしている。今にも海に沈みそうだ。俺はしゃがんでリーベルティに手を差し出した。けど、リーベルティは首を振って断った。その姿を見て、フェンリルたちは困惑していた。
「お兄ちゃんは、優しい人だよ。お兄ちゃんにも大切な人がいる。だから、この先に今のおじさん達を行かせたくない。でも、殺したくないから、今もおじさん達を傷つけないようにちゃんと会話をしてくれる。交渉してくれてる! それに、お父さんが言ってた! いい人間もいるんだから、悪い人間とちゃんと嗅ぎ分けろって!」
「っ、リーベルティ……」
「お願いだから、お兄ちゃんとちゃんと話して! 僕やだよ! お兄ちゃんとおじさん達が戦うの! どっちにも痛い思いしてほしくない!」
最後まで言い終わると、リーベルティはぜぇぜぇと息を吐いていた。
「リーベルティ。そろそろ倒れるぞ。」
俺は見ていられなくて、両手でそっと抱き上げて、水魔法で小さい水玉を作った。リーベルティの口の大きさに合うサイズにして近づけると、リーベルティはすぐにパクッと飲み込んだ。もう一度同じやつをいくつか作って飲ませてやる。
「ありがとう。もう大丈夫。」
「いや、こちらこそありがとな。おかげで少しは聞く耳を持ってくれそうだ。」
俺が頭を撫でてやると、リーベルティは嬉しそうに手に擦り寄ってきた。やっぱり、神獣とはいえ子供だな。やっぱり、動物は可愛い。殺しなんてしたくない。
「さて、お願いですから、少しぐらいは話を聞いてくれません?」
「っ……」
俺が懇願すると、フェンリルたちに動揺が走った。どうすればいいのかと悩んでいるようだ。その時、威厳のある声が聞こえてきた。
「もう良い。」
「?! 兄上!!」
フェンリル達の奥から、一際大きなフェンリルが出てきた。左目に傷があり瞼を閉じていた。叔父さんと呼ばれた人が兄上と叫んでいたところを見るに、リーベルティの父親かもしれないな。
「そこの人間よ。リーベルティの言っていたことは本当か?」
「檻に入れられていたので、そこから出したのは俺ですね。」
「そうか……礼を言う。息子を助けてくれてありがとう。」
「兄上?!」
「族長?!」
やはり、リーベルティの父、族長だった。そのフェンリルが頭を下げると後ろにいたフェンリルたちが動揺した。
「兄上! こやつは人間ですよ?! 頭を下げるなどっ、」
「黙れ! 人間だろうが多種族だろうが、息子を救ってくれた恩人だぞ! 無礼は許さぬ! それとも、この私が嘘を見抜けぬとでも思うたか?」
「いえ……兄上のスキルを疑うなど、誰ができましょうか。」
スキル? うそ? あー、これか。
名前:リーズロット
年齢:540歳
種族:フェンリル族
職業:フェンリル族 族長
二つ名:銀狼王
レベル:795
HP 45980/45980
MP 48550/48550
能力値:筋力2100 敏捷3500 守備3680 器用さ2100 幸運値3500 魅力2200
適正魔法属性:水、風、光、嵐、重力
スキル: 気配察知(特級)、嗅覚(特級)、魔力探知(特級)、真偽眼(特級)、水魔法(特級)、風魔法(特級)、光魔法(特級)、嵐魔法(特級)、重力魔法(上級)
耐性:毒耐性(特級)、麻痺耐性(特級)、石化耐性(上級)、魅力耐性(上級)、魔法攻撃耐性(特級)、呪い耐性(特級)
加護:神獣神の加護
称号:
その他:神獣 フェンリル族族長
スキルの中に真偽眼ってのがあるんだけど、確か相手の言っていることの真偽を確かめられるとかだったはず。このスキルがあるなら探り合いなんて意味がない。手っ取り早く会話ができる。
「身内のものが失礼した。」
「いや、平気だ。信じられないのも仕方がない。」
「そう言ってもらえると助かる。私はリーズロットという。リーベルティの父親であり、フェンリル族の族長だ。」
なんかユグドラやらこのリーズロットやら礼儀正しいな。前世でのアニメ知識で、神獣とか竜族たちみたいなものすごく強い生物は、人間なんて下等生物なぞに下げる頭などないって、思ってそうなイメージだった。話の通じない凝り固まった思考しかしなくて、不遜な態度でこっちを見下す感じかと。
「俺は、西の大陸アイスリア王国第一王子、グラキエス・ウィン・アイスリアだ。」
どうせ嘘は通用しないのなら、本当の名前を言った方がいい。それに、ここには俺以外にこの国の人間はいない。隠さなくてもいい。
「グラキエス。この場を引け、と言う話だったな。」
何かを探るような視線だった。それはまぁ、長としての顔だろう。
「まぁそうだね。君たちはやられたらやり返したいと思うだろう。その気持ちには同意する。けど、もう関係者はこっちで捕縛しているんだ。こっちにも色々事情があってね。それが終わったら君たちに引き渡すから、街に被害がでないようにしてほしい。」
「……それは私たちには願ったりだが、こちらに都合が良すぎる。何を企む?」
俺は、殺し合いたくないだけだ。それをそのまま伝えたほうがいい気がした。国と国の取引じゃない。駆け引きもいらない。相手には、そんなもの通じない。
「別になにも企んじゃいない。ただ、君たちに暴れられると被害が大きくなる。あの街には俺の大切な婚約者や側近、友人がいる。君たちに見境なく暴れられると困る。それだけだよ。」
リーズロットの目をまっすぐと見つめた。視線の探り合い。しかしすぐに目を閉じたのはリーズロットの方だった。
「どうやら、本当のことのようだ。勘繰ってしまい申し訳ない。」
「だからいいってば。謝罪されるようなことはされてない。それより、真偽眼ってすごいんだね。」
俺が今の今まで、全く嘘をついていない。けど、この人は一切疑わなかった。この人たちからすれば、俺は全く信用できないはずなのに、だ。
「鑑定スキル持ちなのか。そうだ。私には嘘を見抜ける。君が嘘をついていないとわかっている。」
「でもさ、信用はできないでしょ? リーベルティを襲った奴等と同じ人間だよ? いいの?」
そう言うと、リーズロットがキョトンとした顔をした後、思いっきり笑い出した。それに、今度はこっちが呆気に取られた。しばらくして笑いが収まると、目尻を下げて柔らかな表情をして俺を見た。
「はぁ……そんなことを私に言う時点で信用に値するだろう。それに、どこかで嗅いだ匂いだと思っておったぞ。スリアル坊。」
俺の肩にいたスリアルに視線を投げた。知り合いだったの??
「久しぶり! リズロおじさん!」
愛称呼び……相当仲良いじゃん……リーベルティとは歳の差があるから、多分リーベルティが生まれる前に知り合ったのかな。
「あぁ。元気にしておったか?」
「いひひ、元気元気!」
「まじかー。知り合いかー……」
「でも前に会った時は目に傷なんてなかったから、気づかなかった。」
「なるほど。つか、リーズロット、よく気づいたね……この姿初めて見るでしょ?」
「姿形は変わっていても匂いと魔力は変化するわけではないのでな。」
さっすがー……フェンリル、怖い……
「グラキエスと一緒にいるのは君の独断か? それとも……」
その言葉で後ろにいるフェンリル達が緊張した。なんで? 俺別にあの人たちに強制してないんだけど。
「父さんや母さんたちも一緒にお城にいるよ。離宮を貸してもらってるの。そんで、お仕事してる!」
「ほぅ、お仕事か?」
リーズロットさん? ちょっと目が怖い。何その面白いことを知ったみたいな顔。
「そう! キースお兄ちゃんのもとで、みんなでお仕事中! 主に情報収集!」
フェンリル達が一斉にざわざわと信じられないと言う顔をしていた。だよねー、それについては俺も同意する。なんで、竜王族が人間の元で働いてんだってね。それを聞いてリーズロットがふっと笑った。
「なるほど。あやつも相当このものを気に入っているようだ。」
「僕もお兄ちゃん大好き!」
あの、スリアルさん? ちょっと恥ずかしいんでやめて。純真無垢な子から好きって言われるとすんごい恥ずかしい! 嘘偽りがないってわかるからこそ、こっぱずかしいのである。
「そうか。やはり、信用していいのだな。」
「もうお兄ちゃんいじめないでね?」
「あぁ。そちらが何もしないのであれば何もせぬよ。」
「だって。よかったね! お兄ちゃん!」
キラキラした笑顔を向けられて、少し癒された。全く、この子は。
「うん。ありがとう。」
微妙に照れ臭かったので、スリアルの顎を撫でて現実逃避しよう。撫でられてゴロゴロ言ってたけど。お前、竜だろ? 猫みたいだけどいいのか。
「さて。皆の者、聞いていたな! どうやら竜王族はこのグラキエスとやらの下についているようだ。あの、竜王族が、だ。その証拠として、スリアル坊の姿がある。」
あの竜王族がって、すごい強調するね。いや、まぁ、俺もいまだに信じられてないんだけどね。
「見ての通り大事にされているのか、懐いている。いくらスリアル坊が子供とはいえ、10年かそこらしか生きていない人間の子供に70年生きてきたスリアル坊が騙されているとは思えない。」
それ、褒めてんの? 貶してんの? つか、10年かそこらと言われるとちょっと怪しいぞ……
「私は、このものを信用する。異論のあるものはいるか。」
ま、いっか、信用してくれるならいいけど……
「いないようだな。」
よくこんなすんなりと信じようと思ったな……リーズロットが出てきただけで全員大人しくなったぞ……異論のある人もいないみたいだし……竜王族の信用度がこわくもあり、ありがたくもあった。
「はぁー……よかった〜……」
どっと疲れが出てきて、俺はしゃがみ込んだ。この場で座りたいけど、海だから服濡れるし、諦めるけど……
「大丈夫?」
腕の中で大人しくしていたリーベルティが心配そうな顔をしていた。
「あーうん。大丈夫。気が抜けただけ。」
可愛い顔だが、そろそろフェンリルたちに返してやらないと。立ち上がってリーズロットに返した。リーズロットがリーベルティの顔を舐めて、無事でよかったと安堵していた。リーベルティが嬉しそうにリーズロットの頬を舐め返していて、癒される光景である。が、そろそろ俺は戻らないと。
「じゃあ、俺は一旦港に戻るけど、貴方たちはど……」
どうするのかと問う前に、リーズロットが人型になった。銀髪で、30代ぐらいのイケメンになった。俺はもうツッコまねぇぞ。なんで、伝説の生物達はイケメンなのかなんてな!
「はぁ……とりあえず、来るのはリーズロットだけでいい?」
「大丈夫だ。リーベルティ、お前はアイリスの元へ、」
「やだ。ついてく。」
「「え?」」
リーズロットの言葉を遮るのはリーベルティの否定だった。俺とリーズロットが驚き、変な声が出た。
「僕だってお兄ちゃんについていく。」
「ちょ、リーベルティ?? アイリスさん? とやらのところにいた方がいいんじゃないの?」
「やだ。」
「なんで?!」
俺、盛大に困惑。いや、本当になんでだろ。
「僕、お兄ちゃんと一緒にいたい。」
「……本当、なぜ?」
「なんかわかんないけど、これで終わりなのはやだ。」
確かに、フェンリル達の住む場所は北の大陸のはず。俺は一国の王子で、このまま順調にいけば俺は立太子する。国を出られるかわからない。公務があるし、他大陸に行くと何週間もかかる。そんな何日も国から出ていけない。
だから、リーベルティが帰れば、二度と会えない可能性はある。
「そう言ってくれるのは嬉しいけど、この国にだって君を害そうとする人間はいると思うよ。」
「それでもいい。」
「いや、なんで?! ダメでしょ?! また怖い思いするかもしれないんだよ?」
「お兄ちゃん、王子様なんでしょ? 偉いんでしょ?」
「そう、だけど、王子だからと言って国民全員を監視なんてできないよ? それに、さっきみたいにちゃんと助けてあげられる保証もない。」
今回は本当にたまたま居合わせただけだし、いくら俺が手を出すなって言っても、バカはいる。抑止力になれるかはわからない。
それに、リーベルティは、スリアルみたいにステータスはまだ高くない。まだってだけで神獣だから強くなるけど、現段階ではって話。それに、擬態とかできないと神獣は目立つ。シルバーウルフって言う似た狼の魔物もいるけど、毛の色が段違いだ。シルバーウルフがくすんだ灰色だとしたら、フェンリルは透き通った銀色だ。光を反射するほどにツヤツヤで綺麗なのだ。リーベルティを見て、誰もシルバーウルフだなんて思わない。未知の魔物で、高価そうに見えるから、狙われるよ。
「僕が強くなればいいだけの話でしょ?」
「いや、たしかにそうだけどね? そうなんだけど……リーズロットもなんとか言ってよ〜……」
「リーベルティ。本当に危険を承知でいきたいのか?」
ちょいちょいちょいちょい。お待ちくださいリーズロットさん?? なにか承諾する気配がするんですけど??
「うん、いく。」
「また同じように攫われても、今度は私たちが間に合わない場合もあるのだぞ?」
「それでも、僕はお兄ちゃんといたい。」
「はぁ……こうなったら聞かないからな。」
「ええぇぇぇぇ?!! 本当に承諾しちゃったよ!!! いいの?!! え、本当にいいの?!」
「仕方あるまい。ここまで頑なに行くと言うのだ。私には止められない。その代わり……」
え、待って? デジャブ感じるけど? まさかの、もしかして??
「私、いや、私たちも行く。」
「なんでぇぇぇぇ?!!!!!」
「竜王族たちもいるのだろう? 私たちが増えたところで何も問題なかろう。」
………父上になんて説明しよう………
それが1番最初に思ったことだった。
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