最悪を呼び込んだ船 

 アリアーデ辺境伯の屋敷に、表向きは凍結の棺フリーズ・コフィンという名のSランクパーティーとして宿泊した。

 その翌日。俺たちはアリアーデ辺境伯に変わって、信頼できる執事の案内で港へと来た。メンバーは俺、セス、スリアル、セフィ、オーレンだ。屋敷内にいればシーラたちは安全のはずだけど、一応バイオスたちは置いてきた。

 

 港らしく、大小様々な貨物船、客船、漁船、艦船などが多く並び、人通りも色々な人種がいる。この国には人種差別はないから、ドワーフやエルフなどの亜人は少しいた。珍しいなーって軽く思うぐらい。だけど、この港はどうだろう。見渡せる限りに、獣人、ドワーフ、エルフや、世界で最も数が少ない亜人と言われる小人族までいる。

 

「ここは、アリアーデ辺境領自慢の港です。ここで様々な船や業務を行っており、是非とも紹介したいのですが、今日は省かせていただきます。そして、あそこにあるのが例の船です。」

 

 子供みたいにはしゃぎたかったけど、王族としての教育の賜物でポーカーフェイスを保っていると、執事さんから、一番奥から三番目の船に、視線を移した。見た目は普通の貨物船に見える。けど、なんだろう。普通の貨物船だからと素通りしちゃいけない気がする。根拠なんてない。ないんだけど、ダメな気がした。

 

「キース様?」

 

「なんとなく、違和感を感じる。辺境伯のいうような獣の匂いがするわけじゃないんだけどね。」

 

「じゃあ、何かあるじゃないっすか。」

 

 オーレンが自信を持って何かあると言った。俺が何かを感じたら、大なり小なり何かがあるのをその目で見てきたからだろう。俺たちはひとまず怪しまれないように港を見てから、不審船の近くにある建物に入った。港でトラブルがないように、警備&監視の役目を持つ騎士の詰所らしい。中に入ると、休憩中の騎士が談笑していた。俺たちに気づくと、騎士たちが頭に? を浮かべていたけど、案内人である執事がいたことで、騎士たちはすぐに自分たちが対処するべき案件じゃないと思ったのか、挨拶をするとすぐに談笑に戻って行った。近くを通れば挨拶もしくは会釈をしてくれるぐらいだ。執事さん、結構顔が広いのかもしれない。

 

「あ、伯爵様の執事さん。どうかしたんですか?」

 

「例の調査をしている最中です。」

 

「例のって、あの船ですよね? その調査って、この子供達も、ですか?」

 

「えぇ。そうですよ。」

 

「子供、ですよね?? 人間の……」

 

 獣人やエルフ、ドワーフ、小人族など、亜人は見た目に反して歳を重ねていることが多い。長寿の種族と比べれば人間はそれだけ老いるのが早いのだ。だから、人間であれば、俺たちの見た目はほとんど年齢通り。だから、普通に子供だ。

 

「失礼ですよ。それに、この方たちはあなたたちよりも強い方なのですよ?」 

 

「え?」

 

「この方達は、王都で有名なSランクパーティー、凍結の棺フリーズ・コフィンです。」

 

「えぇ?! あの、Sランク冒険者だけで構成された凍結の棺フリーズ・コフィンですか?! 確かに若いパーティって聞きましたけど、いくらなんでも若すぎません?!」

 

 こういう反応が普通だよね……

 

「俺は若くねぇけどな。」

 

 オーレンがボソッと呟いたけど、論点はそこじゃないと思うよ。

 

「本当に失礼ですから今すぐ謝罪してください!」

 

「すみませんでした!」

 

「大変申し訳ありませんでした。私の監督不行届です。再度教育を致しますので、、」

 

 驚いていた騎士と執事さんがすぐに頭を下げて謝ってくれた。俺の正体を知ってる執事さんが顔を青ざめさせている。そんなに気にしなくていいのに……

 

「いやいや、大丈夫ですよ。そんな反応されるのは慣れていますので。お気になさらず。」

 

「ですが……」

 

 尚も、執事さんが謝ろうとするけど、本当に気にしないでほしいんだよな。

 

「大丈夫ですよ。王都でもよく言われてましたし。むしろ、子供のくせに粋がるなーとか言って襲ってきたやつもいたくらいですよ?」

 

「え、、、」

 

 そんなバカなって顔をしているけど、これはマジな話である。1日でSランクに上がったし、王国騎士団副団長のオーレンの親戚だから、不正があったんじゃないかって邪推する人もいるわけだ。そんで当時12歳だったのもあり、子供がSランクなのが気に入らない人も出てくるわけで……結果。少し血の気の多い冒険者が、締めようとして襲いかかってきたわけだ。もちろん、返り討ちにしたけど。

 

「全員返り討ちしてましたけどね。容赦なく。」 

 

「ちゃんと正当防衛の範囲に収めましたー。」

 

「あれが、正当防衛……過剰防衛の間違いだろ。」

 

「仕方ないじゃん! あんなに弱いと思わなかったんだもん! 手加減の仕方がいまいちわかんなかったの!」

 

 軽く蹴っただけで、肋骨3本折れるとは思わないじゃん。それだけ、ステータスに差があったってことなんだけどさ。ある程度の魔物は身を守るために魔力を多かれ少なかれ体に纏って防御力をあげているんだけど、それを忘れて魔物と同じ力加減で殴っちゃったんだよね……

 

 教訓。魔物と人間は同じ力加減で殴っちゃダメ。

 

「弱いとかなんとか言ってますけど、相手はBランク冒険者でしたからね。」

 

 セフィが執事さんたちに小声ともいえない小声で情報を漏らした。

 

「ちょっとセフィ?! 本当のことだけど、もう少し音量下げて言って!」

 

「キース、指摘するべき所が違うと思う。」

 

『ぶふっ、くすくす……』

 

 スリアルさん、笑い堪えられてませんよ。肩でくすくすしてる振動分かりますからね? 一応、見た目はフェネリーなので会話がわかってるようにしないために、顔を隠してるっぽいから、誤魔化せてるとは思うけど。多分。

 

「俺はもう化け物って言われても気にしないことにした。」

 

「もう少し気にしてくれ……」

 

「気にしたところでね……ははは……」 

 

「その年で悟り開いてんのかよ。」

 

 オーレンの呆れた顔はスルーして、依頼を進めましょうというと、執事さんが我に帰って、詰所の奥へと進んでいく。騎士と別れると階段を登った。4階まで上がると、廊下がなく、すぐ目の前に一つの扉が見えた。鍵を開けて外に出ると、屋上だったらしく、港と海が遠くまで見渡せた。

 

「おー。絶景だな。」

 

「景色を見ていたい気持ちはわかるが、目的を忘れるなよ?」

 

「はいはい。わかってるって。」

 

 セスの言葉にてきとうに返事をしてから、あの違和感を感じた船に向けて魔力を薄く伸ばした。船の構造は一般的なようで、いくつかの就寝部屋らしいところや食堂、機関系の部屋等、関係なさそうなところは詳しく調べずに、貨物室とか荷物置き場のような場所を探す。前方から調べていき、中央の一番下の部屋にそれを見つけた。部屋に入れば見渡す限り木箱、木箱、木箱、とにかく木箱が山のように置かれていた。商船だからと言われればそれまでだけど、一つだけ、変な形のものを見つけた。

 

「なんだこれ……檻? と、子犬?」

 

「おいおいおいおい……まさか、その子犬って……」

 

『神獣ならフェンリルだよね!』

 

 俺の断片的な言葉だけで、オーレンが想定できる限り最悪の想像をして言葉を止めたのに、スリアルが言っちゃだめでしょ。俺だけにしか聞こえてないからいいけどさ。

 

「『鑑定』」

 

 名前:リーベルティ

 年齢:25歳

 種族:フェンリル族

 職業:フェンリル族 次期族長

 二つ名:銀狼王の子

 レベル:160

 HP 592/1050

 MP 60/3600

 能力値:筋力400 敏捷500 守備550 器用さ340 幸運値600 魅力580

 適正魔法属性:水、風、光、嵐、重力

 スキル: 気配察知(中級)、嗅覚(特級)、魔力探知(特級)、水魔法(初級)、風魔法(中級)、光魔法(上級)、嵐魔法(中級)

 耐性:毒耐性(中級)、麻痺耐性(上級)、石化耐性(中級)、魔法攻撃耐性(上級)、呪い耐性(中級)

 加護:神獣神の加護

 称号:

 その他:神獣 フェンリル族族長の息子

 

 

 

 ステータスを確認して、俺は膝から崩れ落ちた。

 

「………もう、いやだ………」

 

「あー、とりあえず、想定されていた事態の中で、何番目に最悪だったんすか?」

 

 オーレンが俺の反応的に推測できているだろうけど、念のため聞いてきた。

 

「ぶっちぎりで一番最悪……」

 

 と、呟くと、セフィが顔を引き攣らせていて、セスが頭が痛そうにこめかみを揉みながら、口を開く。

 

「……なんとなく察したけど、調査する上では必要だから一応聞く。何がいた?」 

 

「フェンリルの子供……」

 

「「「はぁぁぁぁーーーーー……」」」

 

 3人の深い深い、それはもう世界で一番深い海であるマリアナ海溝よりも深いため息が重なった。あ、マリアナ海溝は前世での海だったわ。今世ではマリーナ海溝ね。ちなみにアリアーデ辺境伯領の南西にある。

 

 って、現実逃避するのやめよう……

 

 神獣の中でも、1番手を出してはならない代表格の一つがフェンリルだった。フェンリルは狼の特性を持ち、家族や群れで過ごす。家族思いのため、フェンリル一体を襲えば、数十、大きければ数百の仲間の群れが束になって報復に来ると言われている。一個体がとんでもない戦闘能力を持つフェンリルが束になって襲ってくるから、街や王都は瞬く間に壊滅する。

 最も恐るべきは、フェンリルの追跡能力だ。フェンリルには嗅覚と魔力感知に優れ、匂いや魔力を辿って追跡する。一週間以内であれば他大陸に向かった仲間を尾行できるとも言われている。嘘か本当かは知らない伝説とまで言われていた話だけど、リーベルティという名前のフェンリルを鑑定して本当の話だとわかった。なんだよ魔力探知特級ってさぁ……

 

「ん? 待って? あの船っていつからこの大陸にいるんだっけ?」

 

 執事さんに聞くと戸惑いながら答えた。

 

「き、今日でちょうど二週間です。」

 

 一週間前の魔力でも感知する。

 リーベルティという子供の残量魔力はあと少し。

 索敵魔法で感知している、リーベルティから流れ出ている一本の細い魔力線。

 

 その線がバッカー大陸に向かっている??

 

「ま、まさか……」

 

 船の中にいる人間も鑑定する。すると、どいつもこいつもバッカー大陸一の大国であるアーバン帝国の騎士?! それに混じって、末端らしき商人?? はぁ?!!!

 

「あぁーーーー!! くっそ!!! やばいやばい、絶対やばい!!」

 

「な、なにがですか??」

 

 執事の人が驚いて俺に尋ねるけど、俺はそれどころじゃない!

 

「フェンリルの群れがくる!」

 

「あのフェンリルの伝説か? まさか、本当のことだったのか?!」

 

 頭を抱えた俺に、オーレンがすぐにそうなる理由を推測した。

 

「子供でさえ特級の魔力探知を持ってるんだよ? 絶対大人のフェンリルも持ってる。それに、船員全てがバッカー大陸アーバン帝国出身で、帝国の騎士が混じってる。」

 

「たった一匹のフェンリルの子供を襲ったということは、フェンリルの子供をアイスリア王国を潰すための道具にしたということか。」

 

 セスがものすごい嫌悪感丸出しで顔を顰めた。気持ちはわかる。俺動物好きだし。シーラと人を襲わない動物は最強だと思ってる。

 

『じゃあさ、大人のフェンリル達に、子供のフェンリルを探せるようわざと魔力を垂れ流させたり、匂いを残してきているんじゃない?』

 

 念話魔法でスリアルがサラッと会話に入り込んだ。多分セフィとオーレン、スリアルにも一方的に魔法を使ったはずだ。3人がそれぞれ反応したから。

 

「スリアルさんよ、ご名答だよ。俺なら、フェンリル達に気づいてもらい、尚且つ自分が死なないように細工してからここにくるよ。」

 

「だとしたら、この大陸、少なくともこの港町は壊滅しますよ……」

 

「そ、そんなっ……!」

 

 セフィの言葉に執事さんの顔が真っ青になった。どうする? もうすでに二週間経ってる。フェンリル達は血眼になってリーベルティを探して追ってきてるはずだ。むしろ、二週間もここが無事だったこと自体が奇跡としか思えない。俺たちがあの子を保護してフェンリル達に返したとして、俺たちが助けた証拠はない。むしろリーベルティを攫ったのは人間なんだ。神獣達にとって人間なんて全部一緒。攫ったのは俺達じゃないと言っても、聞く耳なんて持ってくれやしない。

 本当はスリアルの時もそうなる可能性があった。だけど、スリアルには念話魔法で事前に知らせてくれていたのと、ユグドラが冷静にスリアルの話を聞いて、俺を対等な存在として見て、真摯に向き合ってくれたからだ。そもそも、長寿であるフェンリルにとって25歳なんて人間としてみたら2歳か3歳だろ。善悪の区別すらわからないんじゃないか? 人間全て怖いとか、交渉とか、何もできない赤子だったら?

 

 根本的に、あの時とは状況が違いすぎる。

 

「キース、どうす、」

 

「! くっそ、考える時間も避難する時間もくれないのかよ!!」

 

 セスの言葉と同時に、俺の索敵魔法に何かが引っかかった。大きな個体が大量に……

 

「セス、セフィ、オーレン! 来やがったぞ!! フェンリルの群れが!」

 

「は?! どこに?!」

 

「決まってんだろ……海の上だよ……」

 

「「「「はぁぁぁぁ?!!!」」」」

 

 俺が海のはるか向こう、水平線を指差すと、執事さん含めて4人が絶叫した。そりゃそうだ。俺たちが見える範囲は穏やかな海しか見えないんだから。索敵魔法で詳しく探知すると、その規格外さに乾いた笑いが漏れ出た。

 

「ははは……水魔法で水を操ってその上を走ってんのかよ……本当、とんでもねぇ眠れる獅子を起こしてくれたもんだぜ、クソ帝国がっ……!」

 

 どうする? どうすればいい? 俺と似たようなステータス……いや、能力値だけ見れば竜王族と似たり寄ったりだ。セスたちがあれと戦うとなったら? 絶対に持久戦になる。そうなればジリ貧でこっちが死ぬ。かと言って俺1人だった場合、一体ならいけるけど、あんな化け物集団、時間稼ぎができても精々10分が限度。それじゃあ街の人たちが避難する時間が足りない。

 索敵魔法で引っかかるフェンリル達の感情は『激怒』の一言に尽きる。憎悪の感情で埋め尽くされ絶対にこっちに耳を傾けてくれないだろうし……

 

「詰み……だな。はぁ……かと言って諦めるわけにもいかねぇ……やれる手は全部やる。」

 

「キース様、あなた、まさか……」

 

 セフィの続きの言葉は紡がれない。少しの沈黙後、俺はため息を吐いた。 

 

「……はぁ……シーラ、連れてこなければ良かったなぁ……」

 

 こんな状況で思い浮かべたのは、すぐそこの屋敷にいて紅茶を飲んでのんびりしているであろう、愛おしい婚約者の笑顔だった。

 

「連れてこなければ、俺はさっさとトンズラしたのにさぁ。あー、でも、連れてこなくてもセスの婚約者がいるから、見捨てられなかったかなー。イライザ嬢とも友達になっちゃったしなぁ……結果は変わらなかったかな? どう思う? セス。」

 

 現実逃避なのはわかってる。でも、こんな詰みの状況、やってらんないでしょ。

 

「……たとえ、クリスやイライザ嬢がいなくとも、あなたは罪なき人を見捨てることなどできない。ここに人がいるという事実だけで逃げない理由がある。俺たちが逃げてと言っても、どうせ逃げないよ。」

 

 セスの言う通りに想像してみる。シーラもクリスティーナ嬢も、イライザ嬢もいないこの領地を。俺は見捨てることができるのか。

 眼下の港を見る。何も知らずに、笑顔で呑気に友人らしき人と語り合う小人族と人間、後ろの街では店員のエルフがおつかいに来た人間の子供の頭を撫でている姿、犬の獣人が荷物を運び、それに感謝する人間、船頭をする人間と景色を楽しむ亜人族たち。

 

 あぁ、だめだぁ……

 

 笑顔にあふれた街

 家族を探して、怒りに染まったフェンリル

 利用されたフェンリルの子供

 なんの罪もない人たち

 

 あぁ……

 

 交わらないはずのものが、第三者の手によって不当に導かれ、穢されていく……

 

 あと少しで、ここは血に染まる……

 

 

 あぁ、俺は、この街を、フェンリル達を、

 

 

 ———壊されたくない———

 

 

「あはは。確かにそうかもしれない。人を見殺しにするほど、腐ってなかったなぁ。」

 

 セスの方が俺よりよっぽど、俺のことを知っている。

 

「腐っててくれた方が、護衛としては楽なんだがな。」

 

「そうだね。俺もセスの立場なら、そう思うなぁ。逃げろよクソやろうってさ。」

 

「ふっ。そうだな。いいそうだ。でも、俺はあなただから、ついて行こうと決めた。どんな決断をしても、俺はあなたについていく。」

 

『僕も〜!』

 

「うん。ありがとう、セス、スリアル。」

 

「さてさて、グラキエス殿下。この後の行動が決まったところで、この状況を打破する可能性が1%でも高い手段はなんです? 私たち王国の騎士はあなたとともに立ち向かいますよ。命をかけて。」

 

 オーレンとセフィを見ると、当然という顔をしていた。当たり前のように俺について来てくれるというのだから、いい部下を持ったよね。

 

「ありがとう、オーレン、セフィ。…………ふぅ……方法は、あるにはある。けど、下手したら勘違いされて余計に「あーーあー御託はいいですよ。さっさと作戦を話してくださいって。」真面目な話してるんだから遮らないでよ、もう!」

 

 王族の話を遮るのって、不敬なんだぞ。全く。まぁでも、そういうところがいいんだけどさ。

 

「あっはっは!」

 

「笑い事じゃないよ……ったく。いい? フェンリル達は、まだ海洋上。目視できる距離にはいない。今からせいぜい10分後に到着ってところかな。」

 

「そこまで魔力を広げられるあんたの魔力制御が怖いっすよ。」 

 

「大雑把な概算だけどね。んで、制限時間は3分だ。」

 

 俺は考えられる限り、成功率が高い作戦を3人に説明していく。

 

「なるほど。確かに、その作戦で行くのが1番最適だろう。」

 

「時間もないことだし、すぐやろうぜ!」

 

「制限時間は2分にしましょう。あんな船の制圧に3分は必要ない。」

 

「ふっ、確かにね。じゃあ、各自、あとは臨機応変に。」

 

「「「了解!」」」

 

 俺は執事さんにアリアーデ辺境伯にこのことを伝えるのと、セス達に協力してくれってことを話した。俺は後始末はできないかも知らないし。

 

 

 ———ここまでで1分。

 フェンリルの群れが到着まで残り8分———

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